NHKに対する批判がますます高まりそうだ。放送中の大河ドラマ「いだてん」は8月11日放送の第30話にて、大河史上で最低となる視聴率5.9%に沈没。翌週18日の第31話では7.2%と少しは盛り返したものの、一話あたり1億円と言われる莫大な制作費から見れば、物足りない数字であることは明らかだろう。
「7月の参院選でNHKから国民を守る党(以下、N国党)が議席を獲得したことにより、NHKに対する批判が先鋭化。対するNHKでは7月30日に“受信料と公共放送についてご理解いただくために”との声明を発表し、『法律違反』という強い言葉を使って受信料不払いへの警告を発しました。とはいえ毎週1億円ものコストを費やして視聴率低迷のドラマを作り続けていたら、批判が高まるのも当然でしょう。民放ドラマなら早期打ち切りもありますが、NHKが前例のない打ち切りに踏み切ることは考えられず、そういった硬直化した姿勢も批判の対象になるはずです」(週刊誌記者)
このようにNHKを巡っては、受信料をベースとした潤沢な資金をふんだんに使いまくる姿勢への批判が高まっている。それに加えて“民業圧迫”とも言える行為も珍しくないという。前出の週刊誌記者がささやく。
「NHKのやり方でとくにエグいのは、その権威を笠に着た強引なスケジュール確保です。ドラマ撮影には雨天順延がつきもので、どのテレビ局でも予備日を設定して対策していますが、時には雨が続いてしまうことも。こんな時に民放局なら雨に影響されないスタジオ撮影に切り替えたり、該当シーンの先送りなどで対応するのですが、NHKでは自分たちのスケジュールを守るために、予備日を強引に延長することが珍しくありません。その場合、出演者側はすでに別の仕事が入っていてもNHKの撮影を優先せざるをえず、他の仕事を断ってしまうことがあるのです」
さすがに他局のテレビ収録と被るようならNHKも無理は言わないようだが、これが雑誌の取材や舞台の稽古だと、出演者側の都合などお構いなしだというのだ。
「NHKの予備日延長によって雑誌の撮影が飛んでしまった話は珍しくありません。その際、カメラマンやヘアメイク、スタイリストらも仕事が飛んでしまいますし、貸しスタジオのキャンセル料など出版社側に損害が発生することも。このケースでは所属事務所の担当者が菓子折りを手に謝罪に来たこともあります。出版社側がNHKに抗議したところで《出演日変更に同意したのは事務所側》と突っぱねるでしょうから、所属事務所も被害者と言えるでしょう」(前出・週刊誌記者)
もはやお役所体質を超えた“俺様体質”には、N国党をはじめとする各所からの批判が寄せられるのも、当然かもしれない。