東北大に毎年100億円の助成!東大、京大を抑えて選ばれた「世界が認める教育環境」とは

 国が10兆円規模の大学ファンドの運用益を活用し、世界トップレベルの研究力を目指すために発足した「国際卓越研究大学制度」。選ばれた場合、最長25年にわたって毎年100億円前後の助成金を受けられることになり、大学関係者にとっては夢のようなプロジェクトだ。

 そして、9月1日に文部科学省が発表したのは東北大学だった。条件付きの候補選定であるものの、この決定に関係者からは驚きの声があがっている。

 ちなみに立候補していたのは国内10大学。東京大学と京都大学の両雄を筆頭に、名古屋大学、大阪大学、九州大学、筑波大学の名門国立大に加え、東京医科歯科大と東京工業大の統合により24年度設立予定の東京科学大学、さらに私学からも早稲田大学と東京理科大学と理系分野では国内トップクラスの大学がズラリと並んだ。

 そこに食い込んできたのが東北大学だった。周知のように東北大は旧帝大の一角を占める難関国立大だが、偏差値は文系理系ともに最難関というわけではない。とはいえ、

「『THE世界大学ランキング』を毎年発表している英国の教育専門誌『タイムス・ハイアー・エデュケーション』が出した『THE日本大学ランキング2023』によると、2位の東大、3位の阪大を抑えて4年連続で1位になっているのが東北大なんです。同大の優れた教育環境は世界でも認められており、教育関係者の間では『順当』という声も多いですね」(教育専門誌記者)

 それでも同年の世界大学ランキングで東北大学は201—250位(201位以下は細かい順位付けがされない)。これは日本国内限定のランキングと指標の条件が若干異なることもあるが、国内では3番目ながら東大(39位)、京大(68位)よりも評価が低いのだ。また、同じく国際的な格付けとして有名な英国の教育評価機関「クアクアレリ・シモンズ」が発表した「QS世界大学ランキング2024」では、国内5位で世界113位だった。

 しかし、今回の助成金内定によってどちらのランキングも大きく変える可能性があるという。

「おそらく10年後、20年後の世界ランキングの大幅ジャンプアップは確実で、東大、京大を抜いて日本どころかアジアを代表する名門大に躍り出る可能性もあります」(前出・記者)

 運用益を活用するとはいえ、もともとの原資は税金や国債の発行だ。1円もムダにすることがないよう、東北大学には益々の研鑽が求められるのである。

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