3連覇の原動力!オリックスはなぜ「育成出身」が大出世するのか

 オリックス東晃平(23)が9月12日に今季5勝目を挙げた。敗れた日本ハムの新庄剛志監督も「ノーノー(ノーヒットノーランを)されるんじゃないかと思った」とこぼしていたが、同日の東は7回を投げて被安打2、失点1。6回2死まではパーフェクト投球だった。

「東は育成出身です。昨年7月、宇田川優希といっしょに支配下に昇格しました。3月の侍ジャパンの壮行試合で先発したんですが、その時は炎上してしまいました。7月30日に再昇格してからはしっかりローテーションを守っています」(在阪メディア)

 オリックスは育成出身の選手が活躍している。昨年に昇格した宇田川とこの東はもちろんだが、今季も5人が昇格しており、茶野篤政は開幕スタメンに、セデーニョは4番も任されるほどだ。

「特別な練習をやっているわけではないんですが…」(同)

 これだけ選手が育っていて、練習メニューや練習時間が他球団と変わらなかったら、選手の素質を見極めたスカウト陣の勝利である。オリックスのドラフト指名の基準について、ライバル球団のスタッフがこう話す。

「育成選手の上位で指名するのは支配下と実力差がほとんどない選手です。大半の球団は『足が速い、肩が強い』などの一芸に秀でた選手を獲る傾向が見られますが、オリックスは総合力で判断しているようですね」

「総合力」とは、野球の素質。オリックスが定める野球レベルに達していることが大前提になるという。

「キャンプのとき、一軍と二軍の練習場がすぐ近くにあります。二軍選手は一軍選手のプレーを目の当たりにし、今の自分に足りないところを自覚させられるんです」(関係者)

 オリックスの3連覇に障害はないようだ。

(飯山満/スポーツライター)

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