これまで野外行為の名場面を厳選紹介してきたが、満場一致で「大賞」に選出されたのが「お葬式」(ATG)だ。幸運にも封切り前にスクリーンで見たという前出の下関氏が述懐する。
「公開された84年は社会人1年目。テレビで仕出しの仕事をしていた関係で、運よく試写のチケットを手に入れ、映画史に残る喪服バック位を目に焼きつけることができました」
インモラルな野外交接で栄冠に輝いたのは高瀬春奈(69)だ。
「前年公開の『卍』(東映)では、夫が眠る横で、愛人女性とのプレイを妄想しながら独り行為にふけっていましたが、『お葬式』ではより煽情的な野外行為を披露。山﨑努演じる俳優の愛人という設定で、山の中で『抱きなさいよ』と要求。喪服姿のまま下半身を丸出しにして後ろから激しく突かれまくるのです。肉感的なヒップだけで多くの映画ファンを虜にしました」(平田氏)
下関氏が伝説のシーンをさらに掘り下げる。
「作品で見た第一印象はごく普通の喪服のおばさん。ひっつめ髪にメガネはアイブロウ。性的な匂いはまったく感じなかったのに、いざ濡れ場になると、下着はド派手だし、ディープキスにも情がこもっていて‥‥。この作品を見て以来、葬式でおばさんを見るたびにイケナイ妄想に駆られたものです」
惜しくも僅差で次点となったのが、「遠雷」(81年・ATG)の石田えり(62)。トマト農家に嫁いだ女性を演じ、夫役の永島敏行を相手に、ビニールハウスの中で激しく愛し合う。
「厳密には野外と言えないかもしれませんが、2人の情熱的なカラミに、これから農家を守っていくという意志の強さが感じられました」(秋本氏)
劇中では薄暗がりの中で、石田の「完熟バスト」が何度も揉みしだかれる。
「ハウスの中は薄暗くて、石田の裸体はぼんやりとしているのですが、時折、雷の光で巨バストがクッキリと映し出される演出は見事でした」(下関氏)
舟上、森の中、そして畑で‥‥。女優魂は場所を選ばない‥‥。
*「週刊アサヒ芸能」9月21日号掲載