江本孟紀が太鼓判!絶品「浅草めし」(1)グリルグランドの特製オムライスは日本一

 都心から下町情緒溢れる浅草に通い始めて30年以上、好きが高じて10年ほど前に事務所を移転した理由はただひとつ。この街には食い道楽の俺を心からうならせる味の名店が多いからだ。今回は数ある飲食店の中でも俺が激推しする本当にうまい店をいくつか紹介しよう。

 まずは「小料理 麦とろ 二葉」。ここは浅草寺の奥座敷、観音裏と呼ばれる場所にある小さな店で、魚から何からすべてうまい。俺は焼き魚やぬたなどを注文するんだけど、冬場は鍋がまた格別。あと、旬の牡蠣なんかその日に仕入れてくるから新鮮なんだ。俺、生牡蠣は10個ぐらい食べることもあるよ。それでシメが麦とろ飯。米がまたうまいんだ。浅草のうまい店は共通してみんな米の炊き方がうまいね。

 この店がある浅草3丁目界隈というのは、浅草見番のすぐ近く。もうなくなってしまったけど、ママが一人でやってる「和重」という喫茶店にはお座敷前の芸者さんがよくお茶を飲んだり軽食をとったりしていたね。江戸時代から伝承される花柳界の文化がまだ残っている地域だから、何とも居心地がいいんだよ。97歳の人間国宝だった芸者さんから「あたし、阪神ファンなの。頑張って!」なんて激励されたこともあったなぁ。

 それと浅草っていうと和のイメージがあるでしょ? ところが、洋食がうまい! 俺が洋食店で日本一だと確信しているのが「グリルグランド」。創業1941年の老舗で2週間煮込んだデミグラスソースのかかった特製オムライス(トクオム)やコロッケグランプリ金賞受賞のカニクリームコロッケが有名。浅草の洋食店では老舗ベーカリーの「ペリカン」や「セキネベーカリー」のパンを使ったメニューも多い!!

 それと前にも話したけど、俺が胃ガンの手術後、退院してすぐに口にしたのが「餃子舗 龍王」の「もやしそば」。もう退院前に脳と口の中にお汁の味がフワア~っと広がって〝早く食いたい!〟っていう気持ちが俺の生きる力の源になった。スプーンでスープをすすりながら店主に「入院中、俺はこれが食いたかった」って言ったら「もう何人もそんな方がいますよ」って。ああ、みんなこの味を生きるための活力としていたんだなと実感したな。街中華なんだけど、テレビなどの取材は一切NG、夜は19時からしかやらない、店主は下町独特の職人気質。でも、ここの餃子を食ったら、もうよその店では食えなくなりますよ。肉は少なめの野菜をメインにしたシンプルな作り。「レバニラ」と「酢豚」も絶品です。

江本孟紀(えもと・たけのり)野球解説者。1947年7月22日生まれ、高知県出身。「プロ野球ニュース」「野球中継」(フジテレビ)、「ショウアップナイター」(ニッポン放送)、サンケイスポーツでの評論を中心に活動。

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