コロナ禍前、大阪の日本橋にある黒門市場の海鮮料理店のボッタクリが話題になった。右も左もわからない中国人観光客に高額な料理を振る舞って、ネットで大批判を受けたこともある。だが、海鮮料理店の経営者は、大半が同胞の在日中国人だったというから驚くばかり。
「あの当時に儲けた中国人の知り合いは、そのお金で日本のホテルを買収しました。従業員はみんな日本人。経営陣だけ中国人で、今は若手実業家として活躍してるよ」(中国人男性)
在日中国人は万博開催によってビジネスチャンスを広げようとしている。先程の中国人男性も「仲間内では旅館を買収して、日本の風情を楽しんでもらう」と、どこまでもポジティブに金儲けの動機づけとして活用する。
その反面、当事者の日本人は大阪万博のメインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を知らない人が大半だ。大阪府のHPによると、「自らにとって『幸福な生き方とは何か』を正面から問う、初めての万博」とのご託宣だ。
「中東・アフリカ地域で初の開催となったドバイ万博の来場者は2410万人でした。コロナ禍で開催を1年延期し、その分、準備を怠らなかった。国が威信をかけたドバイ万博と、いまだに混迷を極める大阪万博とは、正直いって雲泥の差がある」(大阪府の職員)
国際団体「TEA」の調査によれば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の22年の年間入園者数は1235万人。たった半年で、この倍以上の客を万博に呼べるのか。このままでは疑問や不安が現実のものになろうとしている‥‥。