電力8社が「過去最高益」に怒りの声「電気料金値上げは必要だったのか?」

 ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響を受けて電気代の高騰が続いており、記録的な猛暑でもエアコンの使用を我慢しているという方もいるだろう。そんな中、8月2日に大手電力会社10社の2023年4〜6月期連結決算が出揃い、東京電力と沖縄電力を除く8社が同期としては過去最高益を記録していたことが明らかとなった。

「7月31日に連結決算を発表した東北電力は、売上高が前年同期比13.5%増の6335億円となり、純損益は前年同期の312億円の赤字から大幅に回復して過去最高益となる791億円の黒字に転換しています。電気料金の値上げが大幅増益に寄与したとみられ、これまで未定としていた配当も実施すると発表されました」(経済ジャーナリスト)

 昨年から電気代はたびたび値上げが実施されており、多くの電力会社で規制料金が上限に達し、国にさらなる値上げを申請。これが承認されたことで電力大手7社は6月1日から最大で約2700円の値上げを実施している。そんな経緯がありながらの今回の過去最高益だけに、ネット上では値下げを求める声が相次いでいる。

「今回、電力各社が大幅な黒字になったとはいえ、昨年はほとんどが大幅な赤字でしたから、すぐに電気代を値下げしろと言われてもなかなか難しいでしょう。それに、現在は再び円安が進行していますし、ロシアによるウクライナ侵攻も終わりが見えない状況が続いていますから、いつ再び収支が悪化するか分からない状況でもあります。燃料費の下落で8月と9月の電気代は値下がり傾向にありますし、このまま燃料価格が安定して下がっていけば、電気代も落ち着いてくるかもしれません」(同)

 過去最高益を記録したのに高止まりを続けるなんてことがないようにお願いしたい。

(小林洋三)

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