「腸活レシピ」で夏の疲れを一発解消!(2)「腸内細菌を殺す天敵」とは

 一方で「動物性タンパク質をとりすぎると、消化の悪さから、おなかが緩くなる男性が多い」と川上氏が指摘すれば、田和氏も「おなかの緩さで悩むのは女性よりも男性が多い」として、次のように解説する。

「男女の体の作りに要因があります。男性はドーパミンやセロトニンが分泌されやすく、それが大腸の蠕動運動に連動していることで緩くなりやすいと言われています。ですから、特に男性の場合は善玉菌を活性化させる食事だけではダメ。同時に悪玉菌を抑える食事をしましょう。善玉菌の活性化ばかりに気を取られ、自覚もなく悪玉菌が有効になる食生活を続けていて『全然、腸が整わない』と、腸活を諦めてしまう人がたくさんいるんです」

 では、具体的にどのような食生活を送ればいいのか。川上氏が話す。

「悪玉菌が有効になりがちな食事は動物性タンパク質のほか、酸化した油です。また、副交感神経が優位になる夜間に糖質の高い食事をとることは、腸内環境的によくありません」

 揚げ物や糖質の高い白米やうどん、ラーメンなど、消化の悪い食事には注意が必要なのだ。それに加えて田和氏が後を引き取る。

「食品添加物は腸内環境の天敵で、腸内細菌の数をどんどん減らしてしまうんです。とはいえ、添加物は世の中にあふれていますから、まったくとらないことは不可能ですが、意識して避ける必要はあります。以前、私が講演会でさんざん添加物について話したあと、その主催者の男性とカフェに行ったんですよ。すると彼は、無意識にコーヒーフレッシュとガムシロップを入れていた。思わず叱りつけましたよ(笑)。まずは、そうした習慣を立ち止まって見直すことが大切ですね」

 もう1つ「腸内細菌を殺す天敵」と言われているのがストレスだ。

「いちばん手っとり早いのは、嫌いな人と食事をしないことですね(笑)。こうして腸内環境を整えると、便通が安定するだけでなく、驚くほど体調が改善されます。体全体の免疫細胞の約70%が腸管に集結しているため、免疫力がアップし、睡眠の質が向上して夏バテ知らずの体作りにつながるなど、いいことがたくさん訪れるんですよ」(田和氏)

「健康の要」と言われている腸。昨今の猛暑を乗り切るためには「腸活」は不可欠と言えそうだ。

ライフ