エンゼルスが本当に「ヒリヒリの9月」を迎えそうだ。
現地時間6月26日のホワイトソックス戦でエンゼルスの先発左腕、リード・デトマーズが7回2安打1失点10奪三振の快投を見せた。この好投について米スポーツ専門局ESPNが「先発4試合連続で自責1以下&8奪三振以上」は昨年の大谷翔平と、往年の大投手のノーラン・ライアン(2度)に次ぐ球団史上3人目の快挙だと伝えた。
ライアン、大谷に並んだことでメジャー3年目、23歳のデトマーズへの注目はもちろん、「チームもいよいよポストシーズンマッチに進出できるのではないか?」との期待感も高まっている。
「エンゼルスファンは『ようやく、やっと』の心境でしょう。デトマーズは昨年5月のレイズ戦でノーヒットノーランを達成しています。でも、その後はゲーム中盤で痛打を浴びるケースが増え、それでもシーズン終盤に立ち直っていました」(現地記者)
しかし、今季序盤は不安定なピッチングが続いていた。
「昨年オフ、チェンジアップをマスターしようとしていました。でも、そのチェンジアップが全然決まらず…」(同)
直近4試合での防御率は1.05。球団史上3人目の快挙を成し遂げるまでに飛躍した要因は「チェンジアップを捨てた」こと。捨てるまで時間を要したという。当然だろう、オフの努力を全否定するのも同然だからだ。
「大谷翔平をお手本にしたようです。大谷は序盤戦でスイーパーが面白いように決まり、一時は投球数の半分を超えるほど多投していました。ところがスイーパーを研究され、狙い打ちされるようになると、投球スタイルをガラっと見直しました。最近の試合では、スイーパーを投げる割合はグッと減りました」(同)
大谷から直接アドバイスを送られたわけではないだろう。しかし、スイーパーに固執しないやり方に感じるものはあったようだ。
先発投手のコマが徐々に揃いつつあるエンゼルスが優勝争いで生き残る可能性が高まってきた。大谷の望むヒリヒリした9月が現実になる?
(飯山満/スポーツライター)