岡田阪神がピンチだ。先発投手陣を再整備しなければならない。
去る6月14日、ブライアン・ケラー投手の一次帰国が発表された。同日午後には、チーム好調の象徴的存在だった村上頌樹投手の一軍登録が抹消された。村上は火曜日に登板していたが、セパ交流戦後ペナントレースが再開されるまで4日間試合がないためで、岡田彰布監督は「投げさせるところがないし」と、リフレッシュ休暇であることを強調していた。村上は6月に入って連敗中だった。
それにしても、このタイミングでのB・ケラーの帰国はおかしい。先発陣の不足を補う予定で調整させてきたはずだからだ。
「B・ケラーはこれまで二軍戦3試合に登板しただけ。でも、夏場の連戦はこれからですし、公式戦に投げてもらわないと困るので、調整ペースを上げようとしなくても黙認してきたのです」(球界関係者)
一時帰国の目的は、右肘のドクターチェックだという。右ヒジの故障で4月12日の中日二軍戦以降登板がないものの、実は5月23日に二軍の打撃投手として投げていた。
前出の関係者によれば、「調整、回復具合ともに順調そのものだった」とのこと。帰国してまで確認する必要性は感じられなかったというのだ。
「キャンプ中からマイペースというか、スロー調整でした。いまだ危機意識のない言動に、岡田監督もオカンムリです」(在阪記者)
そんな指揮官の顔色を見てか、「B・ケラーはこのまま帰ってこないのでは? 夫人も妊娠しているようだし」なんて声も出始めた。
「とはいえ、この時期になって外国人選手を新たに獲るのはギャンブルに近い。トレードのほうが活躍する可能性が高いでしょう」(同前)
大竹耕太郎投手も、日本ハム戦で打ち込まれた(6月10日)。「近く、青柳晃洋が復帰してくる」との情報も聞かれたが、「投げてみなければ分からない」そうで、満を持しての一軍復帰ではなさそうだ。
「新人の富田蓮が先発にまわるため調整中です。富田の実戦登板が早まるかもしれません」(同前)
阪神“伝統”の失速グセが再発するようなことになれば、B・ケラーが“戦犯”の1人に挙げられそうだ。いや、危機感のない性格を見抜けず、獲得リストに入れた渉外担当者にも責任はある。村上がリフレッシュできるかどうかが、岡田阪神の明暗を分けそうだ。
(飯山満/スポーツライター)