米ファーストフード大手の「ウェンディーズ」は5月9日、ドライブスルーでの接客にグーグル製AIを導入すると発表。6月からオハイオ州の店舗で試験運用を開始するというが、いよいよAIが人間の仕事を奪う時代が本格的にやってきたのかもしれない。
「アメリカでも飲食業界の人手不足は深刻で、ウェンディーズではコロナ禍で顧客の80%がドライブスルーを利用するようになったことから、グーグルのドライブスルーシステム『FreshAI』の導入を決めたといいます。このシステムは客の注文を正確に聞き取り、調理担当者にメニューを伝えることが可能で、また顧客から頻繁に尋ねられる質問もすべてAIが学習し即座に答えることができるといいます」(ITライター)
アメリカではすでに多くのファーストフードチェーンがドライブスルーにAIを導入しており、2021年には「マクドナルド」とIBMが提携して一部店舗ではすでにAIドライブスルーが誕生している。ただ、このAIの精度が低すぎてまともに注文が通らないと、SNSなどで報告が相次いでいる状況だ。
「グーグルは5月10日に対話型AI『Bard』が日本語に対応するなどAIにはかなり力を入れており、ウェンディーズのAIはマクドナルドのものと比べて精度がかなり高くなるとみられています。今後はドライブスルーだけではなく、声で対応する仕事は次々とAIに奪われていってしまうのかもしれません」(前出・ITライター)
ゴールドマン・サックスの最新調査報告書によると、今後AIによって労働市場に大きな混乱がもたらされ、世界で約3億人の仕事に影響を与える可能性があるという。また3年後には、人間が注文を取るドライブスルーが無くなると指摘する専門家もいるのだ。
(小林洋三)