今や「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)をはじめ、多くのレギュラー番組を持つお笑いコンビ・アンガールズの田中卓志。若手時代は「キモカワ芸人」だった男も気がつけば、中堅芸人のトップ集団を走っている。
そんな超売れっ子の田中だが、近年は一部の業界関係者やファンから一風変わった呼ばれ方をしているという。
その名も「第二の渡辺篤史」。理由は、彼の仕事の変化と関係があるようだ。
「2010年代後半から建築関連の番組や連載を持つようになったためです。俳優の渡辺篤史が出演する『渡辺篤史の建もの探訪』(テレビ朝日系)は今年で放送35年目。田中も番組の影響で仕事の方向性が変わり、それにちなんで呼ばれているのでしょう」(建築専門誌編集者)
田中はお宅訪問番組「となりのスゴイ家」(BSテレ東)に山根良顕とともにコンビで出演。前身の番組から含めると放送開始からすでに5年が経ち、長寿番組への気配を漂わせている。また、主婦向けの生活情報サイト「ESSE online」では「アンガールズ・田中が行く!建築家の自邸探訪」を連載中。同コーナーは「家好き芸人アンガールズ・田中が行く! 建築家の自邸探訪」(扶桑社)として書籍化されている。
「田中は広島大学の建築学科出身で、建築を本気で学んでいた。彼と番組で共演した、ある有名建築家も『専門用語がバンバン飛んでくるし、知識も豊富。芸人さんだと思ったら我々の世界の方でビックリしました』と絶賛していました」(前出・編集者)
現在はバラエティや情報番組と並び、建築関連の番組や連載は仕事の柱のひとつとなっている田中。スポーツ紙の芸能デスクは、「今後は教養番組からの出演オファーがさらに増える可能性がある」とも指摘する。
「高度な建築知識を持つインテリ芸人だと知られて、世間が抱くイメージも変わりました。50代になって急に好感度タレントとなった出川哲朗に共通するものがあり、CMの仕事も増えそうです。あと、渡辺篤史は10年から14年まで神戸芸術工科大学の環境・建築デザイン学科の客員教授を務めましたが、アンガールズ田中もそのうちどこかの大学からお呼びがかかるかもしれませんね」(芸能デスク)
かつては建築業界での仕事を志望していた田中にとって、今の仕事ぶりはキャラ変ではなく原点回帰なのかもしれない。