ジョークか、それとも本気か? 4月25日の巨人戦が雨天中止となり、阪神ナインはそのまま室内練習場に移動し、汗を流した。前節の中日3連戦で挙げた総得点は、わずか「4」。野手陣は打撃メインの練習となったが、報道陣の話題はもっぱらコレだった。
「練習後に出た岡田監督の新打線の話って、本当ですかね?」
チーム打率2割2分5厘、総本塁打6はともにリーグ5位(24日時点、以下同)。岡田監督はミエセス(27)の一軍昇格も示唆していたが、一発の可能性を秘めた新助っ人の昇格は当然だろう。そして岡田監督はこうも話していたのだ。
「梅野(隆太郎)の4番だけや、決めとったんは」
25日が雨天中止にならなければ、「4番・梅野」の新打順で臨むつもりでいたという。
これは本気なのか? 梅野はここまで49打数5安打、打率1割2厘。岡田監督は中日との3連戦(21〜23日)を終えた後、打線強化、得点力アップを掲げていたが、梅野こそ岡田監督に「スタメンに1割ってのが多すぎるのよ〜」とボヤかせた1人である。23日は9回表の一打同点という場面で、あえなく併殺打に倒れた。
岡田監督は「(梅野の4番で)相手も警戒するやろ。フォアボールがあるかも分からん」と煙に巻いたが、もう一人の1割バッターの佐藤輝明については、「(練習の)取り組み方は間違ってないと思うわ。オレも5、6月くらいまで打率1割台もあったで。3年目やったかな。まあ、3割打ったけどな最後には」とも話していた。
「雨天中止が早々に決定したので、スターティングメンバー表の交換もありませんでした。だから『4番梅野』の真偽は確かめようがありません。岡田監督は横浜戦で連敗した後、移動のバスの中で『暗くなるな!』と選手を一喝しています。なので、中日3連戦を負け越したチームの暗いムードを払拭するためにジョークを飛ばしたのかもしれません」(在阪メディア)
打率1割台の絶不調から、どう抜け出したのかを聞かれた岡田監督は、「いや、力があったから」と笑い飛ばした。やはり「4番梅野」はジョークだったのか?
「雨天中止により、先発ローテーションの再編が可能となりました。25日に先発するはずだった西勇輝をスライドさせ、不振の青柳晃洋を1回飛ばします。その間、青柳を再調整させるつもりです」(同前)
岡田監督がご機嫌だった理由はそのへんにありそうだ。「4番梅野」は実現するのか。
(飯山満/スポーツライター)