主に航空会社や旅行会社のサイト、または窓口で購入する航空券。特に国際線は円安や原油高の影響もあって割高で、かといって安くても格安航空会社(LCC)での長時間フライトは避けたいという人も多いはずだ。
ネット上にはどの航空会社がもっとも安いかを教えてくれる「Googleフライト」や「スカイスキャナー」などの航空券比較サイトもあり、多くの旅行者から重宝されている。ただし、厳密に言えば同じ出発日の同じ便でもさらに安い航空券は存在する。
なかでも旅行マニアの間で有名なのが「VPN海外発券」と呼ばれる方法。国内外で利用される航空券比較サイトや旅行サイトの多くは、IPアドレスからユーザーがどの国からアクセスしているかを判断して〝その国向け〟の運賃を表示する仕組みになっている。仮想プライベートネットワークのVPNを使うことで、航空券代が日本より安い国のIPアドレスを経由してアクセスすることが可能となり、安い航空券が購入できるわけだ。
「VPNは通信を暗号化するためセキュリティに優れ、企業のネットワークにも広く利用されています。ちなみに無料のVPNもありますが、より安全な有料でも月数百円程度。航空券がどの程度安くなるかは便によって大きく異なりますが、日本から北米やヨーロッパの航空券だと往復エコノミーで4〜5万円安くなることも珍しくありません」(旅行誌編集者)
とはいえ、VPNの利用にあたっては申し込み手続きをしなければならず、設定なども必要でハードルは少々高い。しかし、もっとお手軽に航空券を安く買える裏技もあるという。
「『スカイスキャナー』の居住地設定にあたる『国または地域』を日本以外の国に変えるんです。VPN経由でアクセスした時ほどではないですが、選択した国によっては安くなります」(前出・編集者)
試しに東京—ニューヨークの往復エコノミーの直行便をお盆期間の8月11日出発・現地発15日という条件で検索。繁忙期ゆえに最安でも36万9010円と高かったが、居住地を日本以外の国にして調べること約20カ国。なかでも一番安かったのはエジプトに設定した際の36万2520円で6490円安くなることが分かった。
「特定の国が常に安いわけではないため、いちいち国を変えて調べる手間はありますけどね(笑)」(前出・編集者)
それでも食事代や飲み代分が浮くのであれば、これをやらない手はなさそうだ。