かつては「はやい、うまい、やすい」だったが、2001年に並盛400円を280円に値下げした時から「うまい、やすい、はやい」になった吉野家の牛丼。今度はそこに「やせる」も加わるかもしれない。
「4月3日、吉野家は『新規高機能牛丼』なるものの研究を開始すると発表しました。食品や化粧品の素材開発メーカー『太陽化学』と、京都府立医科大学の専門機関と組んだ本格的なもので、高性能食物繊維の『グアーガム分解物』というマメ科の植物から取れる水溶性の食物繊維を用いた牛丼だそうです」(経済ジャーナリスト)
実は、このグアーガム分解物、太陽化学のホームページの説明によると、ダイエットに効果てきめんなのだという。
「ダイエットには様々な方法がありますが、その基本は自然代謝や運動で消費される以上のエネルギー摂取を抑えること。するとエネルギーの代謝が供給を上回って体は痩せるという理屈です。ところが、余計なエネルギー摂取を抑えるには、どうしてもガマンが必要になってくる。結果、多くの人が挫折してしまうのは周知の通りです」(フードライター)
ところが、このグアーガム分解物は、摂取すると空腹感が抑えられて食べ過ぎの抑制になるのだという。つまり、新規高機能牛丼は、我慢することなく食事が出来て、自然な形で食べすぎがなくなるらしいのだ。また、他の効能として、便通や下痢の改善、血中コレステロールの改善にも効果があるという。まさに「高機能」だ。
「かつて牛丼業界では競合他社間で低価格競争に走った時期がありました。これに対し吉野家は、15年にはベジ丼を販売するなど、ただ安いだけでなく『健康』を付加価値とする路線転換を行ってきました。17年には外食業界では初となる機能性表示食品で、食後の血糖値の上昇を抑えるサラシア入り牛丼の具を通販し、後に店舗でも売り出しています。また昨年7月にはやはり業界初となるトクホの『トク丼サラシアプレミアム』を冷凍食品で販売し始めました。今回の研究開発もその延長線上にあると言えます」(前出・ジャーナリスト)
牛丼が究極のダイエット食として受け入れられる日も近いのかもしれない。
(猫間滋)