不用品を「粗大ごみ」と見るか、「資産」と見るか。ごみの処分には金がかかるが、然るべきルートに持ち込めば多少なりとも金になる。塵も積もれば何とやら─。捨ててはいけない“売れるガラクタ”発見術をここに公開。
去る3月下旬、目を疑うニュースが飛び込んできた。
〈ごみ出品、落札総額233万円 宮城、不当利益の職員を懲戒免職〉
共同通信が第一報で伝えたのは宮城県・仙南リサイクルセンターで発覚した不祥事。50代の職員が、同センターに持ち込まれた粗大ごみをオークションサイトで転売して、莫大な売却益を得ていたというのだ。
「横流しがバレてクビになった職員は、14年から不正転売に手を染め、およそ8年間で233万4095円もの大金を得ていました。金になりそうな粗大ごみをトラックでこっそり持ち帰って出品していたのが、次第に手口が大胆になり、センター内で転売用の写真を撮るようになった。薬局の前に置かれるゾウの人形を出品したところ、その写真に施設の一部が写りこんでいたことで、関与が発覚したようです」(社会部記者)
男が転売していたのは、スノーボードや自転車、扇風機など多岐にわたる。ガラクタが大金に化けるカラクリについて、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)他、多くのテレビ出演歴がある「世田谷出張買取ひなた」代表鑑定士の森園高行氏が語る。
「実家の遺品整理などでよく出てくるのが古い家電。メーカーや型番、使用可能か否か、キズの有無などによっても大きく変わってきますが、中でも扇風機は昭和初期の製品になると、コレクターの需要があるため、思わぬ価格で取引されることがあります。実際、ヤフオクでは1万円以上の値がつくことも。扇風機に限らず、希少性のあるヴィンテージ家電はコレクターの方に人気があります」
実際にフリマアプリ「メルカリ」で扇風機を検索したところ、「昭和レトロ」と銘打った東芝製が8万円、ナショナル製が4万円で落札されていた。
かつて「一家に一台」と言われたミシンも侮れない。森園氏が続ける。
「ジャノメやブラザー工業の日本製ミシンは海外でも人気があるので、たとえ年式が古くても、『場所を取るから』と捨ててしまうのは惜しい。型番や状態にもよりますが、ブラザー製のミシンで、買取価格が5000円を超えることもありました」
調べたところ、足踏み式ミシンを廃棄するのに2000円の手数料を徴収する自治体も少なくない。たとえ100円、200円の辛口査定でも値がつけば御の字。大損をしないためにも、「不用品=廃棄物」という思い込みを捨てるべきかもしれない。
(つづく)