愛知県が導入!学校版有給休暇「ラーケーション」とは

 3月16日、愛知県の大村秀章知事が県内の公立学校の児童・生徒を対象に年最大3日間学校を休むことができる「ラーケーション制度」を23年度から導入すると発表。全国初の試みとあって注目を浴びているが、これは県が推進する「愛知県『休み方改革』プロジェクト」の一環だ。

 コロナ禍で一時話題となった仕事と休暇を両立させる「ワーケーション」と響きが似ているが、ラーケーションも「学習(learning)+休暇」と意味合い的にもほぼ同じ。学校にはメールなどで事前に申請しなければいけないが、「ラーケーションの日」の取り方は1日ずつの3回でも3連休でもOK。しかも欠席扱いにはならないため、年3日休んでも皆勤賞を狙うことが可能というわけだ。

「要は会社の有給休暇の学校版。他にも愛知県は学校全体が休みとなる『県民の日学校ホリデー』も創設する予定です」(全国紙記者)

 ちなみに県が公開する資料には、〈国民全体のワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による日本経済の活性化の実現を目指す〉とあり、学校に通う子供だけを対象とした政策ではない。例えば、労働者に対しては「休み方改革マイスター企業認定制度」を導入。有給休暇を取得しやすい職場環境を整備し、認定された企業にも公共事業入札時などに優遇措置を設け、双方にメリットがある。

「国や自治体は有給休暇を全部消化するように指導していますが、現在の取得率は6割程度。しかも、せっかく有休が取れても子供は学校です。今回のラーケーション制度をはじめとする休み方改革は、これを解消して平日に親子が一緒に過ごせる時間を作るとの狙いもあるわけです」(前出・記者)

 なお、同制度は今のところ愛知県だけだが、今後全国に波及する可能性が高いという。

「この休み方改革プロジェクトは昨年11月の全国知事会議で大村知事が提案。現時点で38道府県が参加しています。自らモデルケースとなる愛知県の状況次第では、24年度以降に他自治体も導入することが予想されます」(前出・記者)

 最初だけ騒がれ、尻すぼみになってしまったワーケーションのようにならなければいいが…。

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