「卑猥シーンを撮影して動画で流すか、金を払うかどちらか選べ」
こう脅迫して53歳の女性から現金30万円を奪ったとして、愛知県在住の無職の男(67)が強盗容疑で逮捕されたのは10月27日のことだった。
「逮捕された男は半田市の駐車場で被害者女性に接近して、『財布をなくしたので乗せてください』と声をかけて、その善意につけこんで乗用車に乗り込んだ。しばらくすると男は態度を一変させて、凶器のようなものをチラつかせて『言うことを聞け』と恫喝。コンビニまで車を走らせて、ATMで引き出させた30万円を奪うと徒歩で逃走しました。事件が起きたのは9月29日夜のことでしたが、その後、県警はコンビニ周辺の防犯カメラの映像をもとに犯人を特定して、今回の逮捕につながったというわけです」(全国紙社会部記者)
親切な女性を暴力で屈服させるとは、卑劣な犯行としか言いようがない。艶動画を撮影させるか、金を払うか…。選択を強いられ、30万円もの現金を奪い取られた50代の被害者女性にとっては、恐怖でしかなかっただろう。もしも支払いを拒否していたら、本当にピンク動画への出演を強要していたのだろうか。艶系動画事情に詳しいジャーナリストはこう話す。
「近年はネットでの動画販売が盛り上がっていて、流通している“素人ピンク動画”は20代から30代のものが主流で、リリースしても埋もれてしまう可能性が高い。そんななかで、50代以上の女性を扱った動画は数が少なく、一定の需要が見込めると言えます。脅迫して出演を強要するなど言語道断ですが、1作品で100万円以上の売上につながることもあり、制作者サイドは常にそのジャンルの女優を探しており、慢性的な人材不足。実際、脅迫とまではいかないまでも、それに近い作品はあります。私が見たなかでは、40代後半と思しき女性が服をぜんぶ脱いでカメラに向かって土下座し、『借金が払えなくてごめんなさい…』と謝罪してから卑猥なシーンに移行するという、違法性を感じさせる作品が出回っているのが現状です」
数年前には艶動画業界で「出演強要問題」が大問題となり、女優たちの待遇が改善されたようだが、ネットの無法地帯ではいまだに卑劣な撮影行為が横行しているという。
「30代以上の女性が出演する“借金モノ”はそのリアリティから根強い人気を誇っていますが、実際、動画を見ただけでは、それが演技かどうか判断するのは難しい。また、仮に今回のような脅迫事件が実行に移されたとしても、女性は被害を表沙汰にしたくないこともあって泣き寝入りするケースが大半かもしれません」(前出・ジャーナリスト)
じつは、53歳の女性が被害にあったケースと同様の手口の強盗事件が、愛知県内で相次いで報告されているという。いずれにしても、今回逮捕された無職男に厳罰が下されるのは間違いなさそうだ。
(平沼エコー)