ついこの前、2023年が始まったばかりなのに、もう3月末。いよいよ年度末、令和4年度も終わりだ。ひとりひとりが仕事をし、役割を果たすことで日本の国と社会は成り立っています。皆さん、お疲れさま、ご苦労様です。時には旅行でもして自分や家族、仲間で楽しい時間を過ごしてはどうでしょうか?
こんな話をすると「そうは言うけど、旅行代が安くなる全国旅行支援はこの3月で終わるんだろ。4月からは旅行代が高くなるじゃないか」とよく言われる。
全国旅行支援とは、旅行代金で1泊につき最大2割(上限5000円)に加えて、地域で使えるクーポンが平日なら1泊につき2000円、つまり1泊で最大7000円安くなる支援制度でした。私は、クーポンはお土産より、ドラッグストアやスーパーで必要なものばかり買っていました。中にはクーポンでタバコも買える県もあったようです。
コロナで落ち込んだ旅行業界を支援しようと行ってきたGoToトラベルと、昨年10月からの全国旅行支援は3月末で終わります、原則的には……。
というのも、この全国旅行支援は、予算が各都道府県に割り当てられているため、予算を消化した自治体は3月末より早く終了することになる。反対に3月末までに予算を消化しきれないところは、4月以降も継続できるとされている。つまり、来月以降の旅行でも割引になる県があるのです。
今の全国旅行支援は、すでに申し込んだ分については、あとから割引はできないことになっているので「うちの県は4月以降も続けます。どうぞ申し込んでください」と発表されてから申し込むのが無難。今のところ、それが全国どの県が該当するかというと、今、噂されているのは東北の名湯・秋保温泉、松島などがある宮城県と、世界遺産・厳島神社のある広島県だ。
厳島神社は70年ぶりの大改修で、この3年あまり囲いに覆われて全貌が見られなかったけど、それが終了したばかり。広島からなら岡山県の倉敷だってすぐに行けるし、宮城に宿泊したら、隣の岩手県の中尊寺を見に行けないわけではない。そのあたりは賢く利用してもらいたい。
また、群馬県では個人旅行は終了するけど、団体旅行は引き続き割引が適用される場合があると言われている。いずれにしても、間もなく正式発表になるはずで、4月から5月にかけて旅行を考えている人は、ぜひ注目しておいてもらいたい。
もし行きたい県の全国旅行支援が終わっていて「割高になるから旅行には手が届かない」と諦めている人は、価格を調べてもらいたい。旅行支援中は「多くの観光客が来るはずだ」と、価格を高めに設定していたホテル・旅館、ツアーも少なくないからだ。
2月末から3月上旬にかけて航空大手2社が仰天セールを行った。ANAは4月から5月の全国の航空路線の片道を平日は一律7000円、週末は1万円にした。JALは4月から6月まで週末も含めて一律6600円で販売した。
残念ながらJALはアクセスが集中しすぎて販売中止になったが、こうした航空会社の割引セールは数カ月に1度行われている。適用期間は2カ月間くらいあっても、その申し込みはごく数日間の予約期間中だけのもの。次のセールの日程がわかったら私のツイッターなどでお知らせするのでチェックしてもらいたい。
このように旅行支援が終わっても続けて来てもらうために、旅行業界も色々と考えていて、旅行支援よりずっとお得に旅を楽しむことも可能なのだ。
ただし、昨年末に入国制限が緩和されて外国人観光客が戻りつつある。日本の観光は世界と比べてとても安いので、今後は高くなっていく可能性もある。
旅行をするならこの春がチャンスだ。
佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」(扶桑社)ほか多数。