岡田結実「父がたぶん嫌がります。私と共演NGなので」/テリー伊藤対談(4)

テリー メモは今も書いてるの?

岡田 書いてます。昨日も一昨日も書きましたし。

テリー これさ、長編の小説みたいな形にするのもあるよね。

岡田 実は今回、短編小説を入れようとしてたんです。ラストが書けないまま期限が過ぎちゃって、結局入れられなかったんですけど。怖いなと思って。

テリー 何が?

岡田 作品を出すのが。まだ自信がないから、自分の感性を人に見てほしいんですけど、見られたくないっていうのもあって。見られた時に、肯定されればいいけど、否定もあるわけじゃないですか。傷つけられたくないみたいなのがあるから勇気が出なかったなっていうのはありますね。

テリー でもさ、いくつになっても人間って未熟だから、今の感性をそのまま出せばいいと思うんだよね。別に30になった時に「あの時は子供だったな」って思えればいいわけで。

岡田 書いてる時にそれを聞けたら、もう少し頑張れたかもしれないです。確かに、いつも正解を求めちゃうタイプなので。

テリー 例えばフランスの画家の絵なんか見てても若い時はやっぱり未熟かもしれないけど、それはそれで格好いいんですよ。

岡田 はい、わかります。むき出し感というか。

テリー そうそう。だから整理整頓されてなくても、荒っぽさが残ってるほうが、特に若い時はいいと思うけどね。

岡田 そうしてみます、次に本を出す時はちょっと恐れずに。

テリー 初のエッセイが出て、これからはどんなことをしていくの?

岡田 やっぱりバラエティー番組だったりに出させていただきながら、役者としてもお仕事していけると。

テリー 出たい作品とかある?

岡田 それがすごい難しくて。濱田岳さんが好きなので、「濱田岳さんみたいな役者さんになりたい」って、ずっと1つの目標として掲げてるんですけど、役としては、まだ絶対にやりたいっていう役が見つかってなくて。むしろ、それよりは基礎がまだグラグラしてるので、今はいろんな現場に顔を出させていただいて、いろんな役者さんの立ち居振る舞いとか、「台本を読む時、こうされてるんだな」っていう基礎を、もっと吸収したいと思ってます。まだ、お芝居の現場がそんなに多くないので。

テリー 好きなのはどっち。

岡田 バラエティーと役者ですか。ええっ、難しいですね。役者の仕事がずっと続いてると「バラエティーに行きたい」ってなって、バラエティーがずっと続いてると「役者の仕事したい」ってなるので。

テリー バラエティーは瞬発力が必要だけど、芝居は違うもんね。

岡田 だから今は舞台を経験したいですね。お芝居をした時にお客さんの生のリアクションがどう返ってくるのかっていうのは、まだ体験したことがないので。舞台は今、いちばんやりたいかもしれないです。

テリー お父さんと漫才やればいいじゃん。

岡田 ええっ、恐ろしい。いやいやいや、父がたぶん嫌がりますよ(苦笑)。私と共演NGなので。

テリー あ、そうなの?

岡田 しかも、(ますだおかだの)ネタを書いてるのがますださんなので。どっちもネタを書けなくて、たぶん、共倒れすると思います(笑)。

〈テリーからひと言〉

 いろんな才能があって、これからいろんな花が咲くんだと思う。いつかお父さんとの漫才も見てみたいね。

岡田結実(おかだ・ゆい)2000年、大阪府生まれ。1歳で子役モデルデビュー。これまでバラエティー、ドラマ、映画へ出演しマルチに活躍中。2021年後期NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」へ出演を果たした。テレビ朝日「私のおじさん〜WATAOJI〜」「女子高生の無駄づかい」、日テレ系・読売テレビ「江戸モアゼル〜令和で恋、いたしんす。〜」、BSテレ東「最果てから、徒歩5分」で主演を務め、東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ「准教授・高槻彰良の推察」ではヒロインを演じた。現在、ABCテレビ「newsおかえり」、フジテレビ「逮捕の瞬間!警察24時」、テレビ東京「ひるパ!」のMCを含め、計6本のレギュラー番組に出演中。雑誌「JELLY」(文友舎)でレギュラーモデルも務めている。初のエッセイ集『ひねくれぼうず』(文友舎)発売中。

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