吉本興業の所属芸人による闇営業問題をめぐり、同社の岡本昭彦社長が7月22日に記者会見を開催。会見の席上で岡本社長は、宮迫博之と田村亮に対する処分を撤回する意向を示したうえで、「いつの日か戻ってきてもらえる日があるのなら、全力でサポートしていければ」と前向きな姿勢を口にした。
その一方で、指示に従わない芸人に「全員クビ」と言い放ったことについては冗談だったと繕うなど、せっかくの会見も不信感が募る結果に。会見を生中継した「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)では、岡本社長の発言に吉本所属のトレンディエンジェル・斎藤司が頭を抱え、視聴者からは「斎藤の態度が吉本芸人の気持ちを表している」との声も続出していたようだ。
吉本興業ではこの4月、教育関連のコンテンツを配信するプラットフォーム「ラフアンドピースマザー」の立ち上げを発表し教育分野へ本格進出することを発表。NTTグループとパートナーシップを組み、官民ファンドのクールジャパン機構が最大で100億円を出資するという大掛かりなものだ。4月21日に開いた記者会見では、吉本興業の大崎洋会長が事業の概要を説明していた。
「大崎会長は『吉本は僕も含めてダメダメ人間の集まり。だから、いろんな人たちのお世話をするというのがベース』と語り、芸人の教育を大切にしている姿勢をアピール。その上で、『ひとりひとりの子供が自分で考えて、強く生きる力を持つための新しい学びが必要』と強調しました。その言葉自体は真っ当なものですが、今となっては虚しく響きますね。公費が投入されるわけですから、世間の目もあり、このプロジェクト自体が今後どうなるか注目されます」(芸能ライター)
経営面ではネットフリックスやアマゾンとコラボしてのコンテンツ制作を積極的に推進するなど、将来を見据える視点で高い評価を受けてきた吉本興業。だが足元に見えている視野は少々狭かったかもしれない。