巨人・浅野翔吾、柵越え連発でも尽きない「ミリの悩み」

 巨人のドラフト1位ルーキー・浅野翔吾外野手が20日、フリー打撃で快音を連発。26スイングで3連続を含む6本の柵越えを放った。

 ここまでの実戦形式の打席を振り返り、

「全部、直球に少し差し込まれていたので」

 と自己分析し、ミートポイントを体の前に置く打法に修正。その効果がさっそく現れたようだが、まだ試行錯誤が続いている問題もあった。「バット」が決まらないのだ。

「グリップの握りをミリ単位で変えるなどし、いくつかを試験使用しています。長さ、重さについてもまだテストが続いていて…」(球界関係者)

 快音を連発したときは、グリップがやや細めのものを使っていたそうだ。

 打撃練習後、「軽い力でボールを遠くに飛ばすことができていたので良かったです」と語っていたので、グリップの太さは決まりそうだが、長さと重さに関してはもうしばらくテストが続きそうだ。

「バット選びで新人が迷い、これだ!という一本を決められないのはよくある話です。特に、高校からプロ入りしたスラッガーはその傾向にあります」(ベテラン記者)

 昨夏の甲子園大会ではM社の金属バットを使っていた。浅野クラスになると、プロ入り後を見据えて「練習は木製、試合は金属」という使い分けをしており、木製バットに違和感はないはず。しかし、既製品のなかから選ぶ高校時代と違って、自分のオーダーでいくらでも変更がきくのがプロの世界だ。

「材質も選べますし、色だって好きにできる。極端な言い方をすれば、プロ野球選手のバットは完全自由のフルオーダー品なので、逆にこれだ!というものを決められないのでしょう」(前出・球界関係者)

 担当スカウトがキャンプ地に入り、浅野の相談役になっているそうだが、バットの形は「感覚の世界」なので自分で決めるしかない。浅野が本領を発揮するのは、バット選びが終わったときからではないだろうか。

(飯山満/スポーツライター)

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