ローソンを抜き、小売業界5位に浮上した「ドン・キホーテ」躍進の理由

 ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」が、2019年6月期の連結営業利益が過去最高の630億円を超え、ローソンを抜いて小売業界5位に躍り出た。
 
「今年1月に『ユニー』を完全子会社化したことで、スーパーマーケットの『アピタ』や『ピアゴ』などの売上を取り込んだ結果、セブン&アイ・ホールディングス、ファーストリテイリング、イオン、ニトリホールディングスに次いでの業界5位。ここ数年、ドン・キホーテ自体も客数を増やし続けており、絶好調なんです」(経済ジャーナリスト)

 なぜ、ここまでドン・キホーテは受けているのか。
 
 その要因には、期間、数量限定のスポット商品の好調ぶりや商品の豊富さ、居抜き出店など数々あるとされるが、前出の経済ジャーナリストは成功の大きな理由の一つとして“ナイトマーケット的な魅力”を挙げる。
 
「日本は他のアジア諸国と比べても夜遊びする場所が少ないと言われており、深夜営業や24時間営業のドン・キホーテこそが、訪日観光客にとっての夜の遊び場、ナイトマーケットとなっている。雑多に並べられた商品はまさに東南アジアのナイトマーケットと同じで、さらにUFOキャッチャーなどエンタテインメントとしての楽しさもあり、他の小売店にはない異空間を楽しめる。そこに迷い込んだワクワク感は、訪日観光客ならずとも思わず商品を購入させるだけの魅力があるのです」(同)

 もともとドン・キホーテは、創業者の安田隆夫氏が29歳のときにオープンさせた“泥棒市場”の終夜営業が成功したことからスタートしており、今もそのDNAが成功へと導いているのだ。

(小林洋三)

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