ベスト16で惜敗するも、W杯優勝経験のあるドイツとスペインを破った森保ジャパン。奇跡の逆転劇は日本列島に歓喜と感動、そして160億円超の経済効果をもたらしたが、世界の移籍マーケットでも侍イレブンの注目度は急上昇。ビッグクラブが算盤を弾き始める中、最新の適正年俸を極秘リサーチした。
短期間でここまで評価が乱高下した代表監督は、森保一監督(54)をおいて他にいないだろう。直前の国際親善試合カナダ戦で完敗。サポーターの猛烈な批判に晒されながら本番のカタールW杯に臨むと、グループリーグ初戦で前々回大会優勝国のドイツを破る大金星。ブーイングを拍手に変えてしまった。スポーツ紙デスクが解説する。
「格下のコスタリカに惜敗して瞬間的に評価を落としますが、リーグ突破をかけたスペイン戦に逆転勝ち。1大会でドイツとスペインに勝利したのは、78年アルゼンチン大会でオーストリアが1次リーグでスペイン、2次リーグで西ドイツに勝利して以来の快挙。『前半堅守・後半反撃』という森保采配は世界に衝撃を与えました」
決勝トーナメント1回戦でクロアチアにPK戦の末に惜しくも敗退。悲願のベスト8進出こそ逃したものの、その手腕に熱いまなざしを注ぐ金満家がいた。さるサッカー代理人が耳打ちする。
「水面下で、オイルマネーで潤う中東のクラブやナショナルチームからの引き合いが増えています。現在の年俸は、W杯出場32カ国中18位の1億5000万円ですが、今大会の結果なら、最低2倍の値が付いても不思議ではない。あるクラブの金持ちオーナーは鼻息荒く『ウチは4億円出せる!』とラブコールを寄こしてきましたよ」
そんな中、日本サッカー協会は森保監督に続投を要請。2年の契約延長を基本線にした2年契約で、年俸は5000万円増の2億円となる見込みだ。この世界の相場を大きく下回る〝渋チン更改〟には、協会の深刻な懐事情が見え隠れしている。協会関係者がため息をつきながら話す。
「コロナの影響で収入の柱となる代表戦のホーム開催がめっきり減った。経営状況は悪化の一途を辿っていて、22年度の予算で46億円の赤字を見込んでいる。今年3月には、03年に購入した文京区の施設『JFAハウス』を約200億円で売却しましたが、赤字額は膨らむ一方で、W杯の賞金約18億円も焼け石に水。まぁ、森保監督は金で動く男ではないと信じていますが‥‥」
そんな指揮官の采配に最もハマったのが三笘薫(25)だ。
「毎回、相手がバテ始めた後半に投入したのが効果的でした。個の力で打開する〝ミトマシステム〟と恐れられるスピードで敵陣を翻弄。クロアチア戦の延長後半にも、自陣から相手ゴール前までの60メートルをドリブルで突破してシュートを放つ見せ場を作りました」(スポーツ紙デスク)
三笘の所属クラブは、プレミアリーグの古豪「ブライトン」。25年6月まで契約を残しているが、前倒しで来年の1月に控える移籍市場では目玉選手にリストアップされているという。
「同リーグの『リヴァプール』や『チェルシー』をはじめとする名門ビッグクラブが獲得に動いているといいます。何より一番の魅力は安さ。21年の移籍時に、『川崎フロンターレ』に支払われた移籍金は約4億円。それが、今では4倍近い約15億円にまで爆騰しているようです。それでも、欧州のビッグクラブの物差しで測れば、格安の値段に変わりない。現在、2億円に満たない年俸交渉も最低6億円からスタートする見込みです」(サッカー代理人)
このままステップアップの数だけ札束を積み上げていくか。