兵士不足でついにここまで…プーチン大統領が10代児童の「軍事訓練」を始める!

 ついにロシアが子供を兵士として戦場に送ろうしている…。こんな衝撃的な話が世界を駆け巡ったのは11月8日だった。

 この日、ロシア紙「イズベスチヤ」が、ロシア下院第3党の左派系「公正ロシア・正義のために」のミロノフ党首が、「初等軍事訓練の授業の復活」を議会に提案した、と報じたのだ。

 さらに、ロシア国営タス通信も9日、クラフツォフ教育相が、来年度から学校のカリキュラムに「基礎軍事訓練コース」を追加することを明らかにした、と報じた。

「タス通信によれば、クラフツォフ氏は「(基礎軍事訓練コースが)来年度から学校に導入される予定、として『現在、草案を作成中で、来年1月1日以降テストが始まる』とコメントしています。この授業は『民間防衛の基礎を学ぶ』というもので、5日間の指導時間は35時間。訓練内容については、まだ具体的に明らかになってはいないものの、当然全員が軍服着用で、銃の使用方法を学ぶ訓練などは必須だとみられています」(軍事ジャーナリスト)

 実は、ロシアの学童軍事訓練は一部地域ではすでに行われているとされていて、2014年には、ロシアのニュースサイト「イングリッシュロシア」が、「ある地域の児童は8歳のころから軍事訓練を受けている」と報道している。彼らはキャンプ地で軍服を着用し、実銃の使用方法だけでなく、ほふく前進や緊急救護、配線の設置、生物兵器による攻撃への対処技能なども学んでいる、と伝えている。

「報道が事実であれば、プーチン大統領は、ウクライナ侵略が始まる前から、将来的な軍事力の行使を想定し、児童に戦闘・防衛技術をたたき込んでいたということです。現在、ウクライナで劣勢となり、兵士不足が深刻となるなかで、このシステムを全国規模で構築しようとしているのでしょう」(前出・軍事ジャーナリスト)

 加えて、9日付の英ミラー紙は「ロシアの義務教育は11年制だが、プーチン大統領はその義務教育の最後の2年間で、140時間の軍事訓練を受けることを義務化した」と報道している。

「同紙では、ロシア国防省第一副大臣ヴァレリー・ゲラシモフ氏が語った話として、兵士不足の深刻さに加え、多くの志願兵も、戦争に参加できる必要な経験がない。だからこそ、義務教育期間中に軍事教科を導入することが必要だ、と報じています。この発言が事実であれば、プーチン大統領は10代の生徒に軍事訓練をさせ、兵士不足問題を解消しようと考えているわけです」(前出・軍事ジャーナリスト)

 今年7月には、ロシア系独立メディア「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」が、初のロシア軍女性兵士の死を報じているが、今後、「少年兵士」にも同様の事態が起こる可能性が出てきたのである。

(灯倫太郎)

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