「八里半」って何? 江戸の人が食べていたエコでリーズナブルなおやつとは

 石焼き芋の恋しい季節である。ひと頃は屋台や軽トラックが専用の窯を積んで住宅街を練り歩く姿をよく目にしたものだ。昨今ではスーパーやコンビニでも売られており、石焼き芋の専用器や鍋、石までもが販売されている。
 
 女優にして、お江戸系ユーチューバーを自称、江戸文化歴史検定1級に史上最年少の25歳で合格(当時、合格率5.0%)という経歴の持ち主・堀口茉純が、自身のYouTubeチャンネル〈ほーりーとお江戸、いいね!〉で「芋」について掘り下げた(11月4日)。
 
 サツマイモは中南米の原産で、日本には中国を経て江戸時代に伝わった。堀口によれば、現在、東京都港区の六本木交差点近くにある「芋洗坂」は、江戸時代には「里芋の市」が立つことで有名だったそうで、坂の一角に「八里半」との看板が。これは、サツマイモを指しており、栗(九里)に近い美味しさ…ゆえに「八里半」とした江戸人によるシャレのようだ。
 
 当時、焼き芋は現在にして100円程度と安価に販売されており、「安さの秘密は燃料です」と堀口が解説。

「江戸って、毎日大量の物資が入って来るんですが、そういうものを包んでいた俵とか縄とかが大量に廃棄されていたんですね。これ再利用できるんじゃない?ということで、焼き芋を焼く燃料にしていたので、燃料費がほとんどかからなかったんですよ。江戸人のエコでリーズナブルな、おやつ。これが焼き芋だったんですね」

 コロナ禍やロシアの軍事進攻などの影響により、小麦をはじめ輸入に頼る様々な食品が値上がりしている昨今。国内自給率2割に満たない小麦に比べ、100%の米や、それに近しいサツマイモが、もっと見直されてもいいのでは?

(所ひで/ユーチューブライター)

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