定員割れで中止レースも!「マラソン大会」参加者激減に「2つの決定的理由」

 新型コロナウイルスの感染拡大も一段落し、3年ぶりに行動制限のないマラソンシーズンを迎え、これまで中止されていたマラソン大会が次々と再開されている。しかし、その一方で多くの大会で応募者が激減。前回大会では抽選倍率4倍以上と「東京マラソン」に次ぐ人気を誇っていた「大阪マラソン」ですら定員割れを起こす事態となっているという。

「大阪マラソンと同じく例年は抽選倍率4倍超ある『京都マラソン』も期限までに定員に届かず、現在も2次募集を続けており、来年2月に開催される『熊本城マラソン』は定員1万1000人に到達したものの、抽選倍率1.30倍と前回大会より約1万1000人減少し、過去最低だったことが明らかになっています。今年12月4日に開催予定だった『高島平ハーフマラソン』などは定員1600人の募集に対して応募はなんと300人。47回目にして初めて定員割れでの中止に追い込まれてしまったんです」(スポーツ紙記者)

 9月28日には市民ランナーとしても活躍したマラソン選手の川内優輝氏が自身のTwitterで「これまで人気があった大会も含めて、今年は定員割れの市民マラソンが相次いでおり、存続の危機に瀕している大会もあると聞きます。その一番の理由は何だと思いますか?」とアンケートを実施。その結果、約1万票が集まり、「参加費が上がり過ぎ」が45.3%でトップになった。

 ちなみに、大阪マラソンは前回の2019年大会では1万1500円だったエントリー費が、コロナ対策などの影響で今回は1万9100円に7600円も値上げされているのだ。

「マラソン大会離れが起きている原因は、もう一つあります。20年はコロナの感染拡大によって全国で多くの市民マラソンが中止となりましたが、そのほとんどで参加費が返金されませんでした。特に国内のフルマラソンの参加料が1万6200円だった東京マラソンでは返金されないことが大きな物議を醸したことは記憶に新しい。こうした経緯から、コロナの第8波が到来してマラソン大会が中止になり、参加者が損をする可能性があると考えたランナーも少なくなかったと見られています。コロナが完全に落ち着くまでは、マラソン大会に人が戻らない状況が続くのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)

 なかなか大会が再開されず、マラソン熱が冷めてしまったという人も少なくないかもしれない。

(小林洋三)

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