東京マラソン、一般参加の中止決定で“返金なし”に残る「モヤモヤ感」

 2月17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京マラソン(3月1日)を主催する財団は、一般参加者の出場を中止して東京五輪の選考を兼ねたエリート選手のみで実施することを発表したが、それよりも一般参加者を驚かせたのは、参加料(国内1万6200円、海外1万8200円)を返金しないという決定だ。

「同大会の規定には、自然災害や火災等などによりコースが通行不能になった場合、関係当局より中止要請を受けた場合、日本国内における地震による中止の場合、また、Jアラート発令による中止の場合(戦争・テロを除く)は参加料を返金するとしているものの、それ以外の理由で大会が中止された場合には返金はしないと明記されているのです」(社会部記者)

 財団によれば、震災などによる大会中止に備えて保険に加入しているというが、新型コロナウイルスが原因による中止では保証の対象外になるといい、すでに大会の準備にも多額の費用がかかっているため、参加料は返金できないというのだ。なお、今回出場出来なかった一般参加者は来年の出走権が与えられるが、来年も改めて参加料は必要となる。

 これには各界からも批判が殺到しており、教育評論家の尾木直樹氏は「払い戻ししないというニュースほんとでしょうか?耳目疑います!」とブログで綴り、立憲民主党の蓮舫副代表も「新型肺炎対策での中止は規約にある一般的な中止とは違うとの解釈で返金を」とツイッターで投稿、メイプル超合金のカズレーザーは情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)で「自然災害があった場合は払い戻しがあって、主催者判断の時は払い戻しがないって伺ったんですけど、逆じゃないんですか?」と疑問を呈した。

「大会にエントリーしたことがある方はご存知だと思いますが、東京マラソンに限らず、多くのマラソン大会ではレースが中止になった場合に参加料の返金は基本的にありません。ただ、今回の中止は事情が事情だけに、参加料とチャリティ寄付金で5億円ほどの収益があると言われていますが、ここから準備費や人件費ほか、最終的にいくらかかったか収支の詳細を説明する必要はあると思います。その上で、収益の方が多かった場合は来年出場する一般参加者の参加料を軽減すれば、それほど批判も起こらないのではないかと思います」(経済ジャーナリスト)

 新型コロナウイルス関連ではただでさえ世間がピリピリしているだけに、丁寧に対応してもらいたいものだ。

(小林洋三)
 

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