腐っても“香川真司”。やはりその才能には一切の陰りがなかったようだ。今冬の移籍マーケットで長年在籍したドイツのドルトムントを離れ、トルコのベシクタシュへ加入したばかりの元日本代表MFが、デビューからわずか15秒で衝撃的なゴールを奪ってみせた。
トルコ・スーペルリーガ第20節、香川の所属チームであるベシクタシュは敵地でアンタルヤスポルと対戦。幸先良く3点のリードを確保すると、後半36分にシェノール・ギュネシュ監督から名前を呼ばれたのは、この日ベンチスタートとなっていた香川だ。背番号23を纏う日本からの眠れる刺客がピッチに投入され、閃光を放つまでに要した時間はおよそ15秒。
ピッチ中央で自らボールを運び、敵陣DFを翻弄すると、鮮やかなシザースフェイントもお披露目し、最後は右足を振り抜きゴール。さらにその3分後にも、決して近距離ではない位置からの直接FKでボールに縦回転をかけ、相手GKを嘲笑うかのような芸術的な得点を沈めている。
この衝撃的な香川のデビュー戦には地元のトルコメディアも大興奮。現地紙『Fanatik』は試合後、ベシクタシュが勝者と契約することに成功したことを褒め称え、香川については「新たなスターであるシンジは、試合投入からわずか15秒で挨拶代わりの得点を挙げた。このデビュー弾の記録は今後破られることはないかもしれない」と絶賛した。
2018-19シーズンの前半戦は古巣ドルトムントでベンチ外へと追いやられ、長く試合勘の鈍っていたはずの香川だが、サポーターが求める彼のハイレベルなオフェンスセンスは健在であることを証明した。
次節は2月9日に本拠地ボーダフォン・アリーナで開催されるブルサスポル戦。2戦連続のゴールともなれば、いよいよ香川の新天地における立場は盤石なものとなるかもしれないが果たして…?
(木村慎吾)