安倍昭恵夫人「私が出る」に岸田自民が戦々恐々(1)「寝た子を起こさないでくれ」

 9月27日に故安倍晋三元総理(享年67)の「国葬」が執り行われる。直前にもかかわらず、その是非については国論を二分する形だが、永田町ではすでに国葬後を睨んだ思惑が蠢いていた。なんと、安倍元総理の後継候補に、アッキーこと安倍昭恵夫人(60)が意欲を見せているというのである。

 岸田文雄総理(65)にとって選挙の可能性が少ない、いわゆる「黄金の3年間」が続く中、懸案の1つが、10増10減の衆議院議員定数是正問題。10減の1つが、定数4から3に減る山口県なのだが、故安倍総理の選挙区もそれに該当している。それだけに、後継者選びは難航しているというのだ。永田町関係者が言う。

「7月に安倍元総理が凶弾に倒れ、関係者にとって緊急の課題といえばその後継者です。まさか、安倍さんがあのような形で亡くなるとは誰も思わず、現段階ではすぐに後継を‥‥という話もなかった。もっとも、安倍家・岸家双方のゴッドマザーと言われている安倍元総理の母・安倍洋子さん(94)には後継の道筋が以前よりできていたようだ。安倍元総理の実弟で、岸家の養子になっている岸信夫前防衛大臣(63)には2人の子息がいる。そのうちの1人を子供がいない安倍夫妻の養子に出し、〝安倍家〟の後継者にするという案です。これで、山口における安倍家・岸家の盤石な地盤は健在、と思われていた」

 しかし、このゴッドマザーの思惑に、これまでずっと首を縦に振らなかった人がいるという。

「昭恵夫人その人です。洋子さんの手前、表立ってそういう素振りは見せませんでしたが、夫が現役であり、『ゆっくり考えます』と先延ばしにしてきたのです」(永田町関係者)

 安倍元総理の突然の不幸により事態は急変。否が応でも後継者を決めざるをえないことになったのだ。

 自民党関係者によれば、

「洋子さんとしては、安倍姓は絶対残したい、もちろん父(岸信介元総理)の姓である岸家も同様です。ところが、本来それを調整するべきはずの自民党では、安倍さんが亡くなって時を置かずというのも不謹慎すぎる。また定数減となることで、地元で安倍元総理のライバル関係にある林芳正外務大臣(61)との調整など、意見の取りまとめに手間取っています。そこで、当初は後継出馬を否定していた昭恵さんが、その間隙を縫うように『私が出る』と意欲を周囲に語りだした。見ようによっては、養子縁組の対抗策にも見えますが、自民党にとっては寝耳に水。万が一、昭恵さん出馬となれば、モリ・カケ・サクラなどの〝疑惑〟を蒸し返されてしまう。『寝た子を起こさないでくれ』というのが党の本音です」

 そこで誰もが気にするのが昭恵夫人の本心なのだ。

*「週刊アサヒ芸能」9月29日号掲載。(2)に続く

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