在京テレビ局政治部記者はその胸の内について、
「率直に言って、本心から昭恵さんが出馬し、後継議員の座を狙っている‥‥とは考えづらい。まず、現段階で昭恵さんの心境を慮れば、むしろそのようなゴタゴタからは一歩引いた心境じゃないか。また、確かに養子縁組問題も含め義母の洋子さんとは、とかく様々な関係性が噂されますし、出馬発言は昭恵さん一流のリップサービスの可能性もある。また後継に関しては、夫の〝安倍晋三〟ならどう考えるか? そこに軸を置くのではないでしょうか。その上で最終的な結論を出すと思います」
もっとも、永田町界隈でささやかれる「昭恵夫人出馬」が実現すれば、特大のパニックとなることは間違いない。
「実際、洋子さんをはじめ安倍家・岸家からの後継者を考えている立場からすれば容認しがたい。最悪、お家騒動はおろか、分裂選挙になって骨肉の争いも考えられます。その場合、自民党自体はガタつかないにしても、清和会における安倍晋三の威信は傷つき、それを機に清和会は四分五裂する可能性まである」(政治部記者)
昭恵夫人が出馬する、しないは自民党に大きな影響を及ぼす事態ともなりそうなのだ。
政治評論家の有馬晴海氏は言う。
「僕の考えをまず話せば、昭恵さんがどうしたいか? それが最重要です。昭恵さんは還暦を迎え、残りの人生をどのように有意義に生きていくか? そこを最重点にしているでしょう。もともと、アクティブな方ですし、やりたいこともたくさんある。それでも、今まではファーストレディーという立場があったので、抑えてきた。今回、安倍さんにあのような不幸があったことで、結果として昭恵さんはフリーハンドになった。しかし、政界進出という選択肢の優先順位が高いか? 正直、そうは思えないです」
あくまで有馬氏は昭恵夫人の政界進出、後継者候補に懐疑的な立場だが、このようにも付け加えた。
「強いて昭恵さん出馬があるとすれば、地元の後援者たちの動き、考え方。自民党は特に地元後援者の力が強く、また結束力も強い。安倍さんの後援者の中には、林さんには絶対に負けたくない! という人がたくさんいる。それらの人が、昭恵さんなら勝てると考えることまでは否定できませんね」
折しも、安倍元総理の非業の死の後から岸田自民は「旧統一教会」「国葬」という問題を抱え、支持率は下がるばかり。平穏な3年とはならず、国民に信を問う解散総選挙が遠からず実現するとなれば、また昭恵夫人の周辺も騒がしくなるに違いない。
*「週刊アサヒ芸能」9月29日号掲載