「水道代、33円!やるやん大阪市!」
「水道代77円でわろたwww大阪優秀すぎwww」
いまSNS上にこんな声が上がっている。大阪市は8月〜10月まで水道代の値下げを実施しているのだが、そんなことはつゆとも知らず、明細を見てみたら驚きの値下げが行われていたことを知った市民が上げた声だ。
「実は大阪市は5月25日にこの施策をHP上で発表していましたが、特別な用事でもなければそんなものは普通は見ません。だから値下げされることを知らない人がほとんどなので、いきなり大幅な値下げがなされていることに驚いて、そのことがSNS発で知れ渡ったのです。実際の値下げは、上水道935円と下水道605円の計1540円の基本料金を取らないというもの。8〜10の3カ月なので、トータル4620円の値下げが行われたことになります」(経済ジャーナリスト)
しかも面倒な申請など不必要で、何の手続きもなく一方的に水道料金が安くなっているというのだ。効果としては、その分の現金が口座に給付されたのと同じだ。しかも政治がこれ見よがしにアピールをしていないから、市民があとになって恩恵に気付くといった辺りもなかなかオツ。賞賛の声がSNSで上がるのも理解できる。
だから33円とか77円といった明細が報告されたわけだが、おそらくこれらは単身世帯のものだと思われる。おおよそのモデルとしては、単身世帯だと数十円の料金となり、複数世帯だと3000円ちょいだったところが約4割引きの2000円弱ほどになるようだ。
「基本料金には水道施設の維持管理上の理由から、世帯によっては平時に多くの負担を強いられている場合もあり、それを減免するのは理屈の上からも通りやすい。加えて事務手続き要らずですから、1つの家計支援策の理想的モデルになりました。この大阪のケースが呼び水になって、例えば兵庫県丹羽市では7月に同じ施策を導入しています。これに続いて札幌市、下関市、宇都宮市、茨城県古河市など全国の複数の市が9月からの導入を発表するなど、全国的に広がりつつあります」(同)
例えば稀代の失政だったアベノマスクでは、調達契約だけで440億円、郵送などの事務費で98億円の計543億円を浪費。余ったマスクでも再配送と不良品廃棄で数億円単位の金を支出したものだ。デジタル化だと言われて以来、何かにつけて“なんちゃらポイント”を創出し、莫大な事務費を垂れ流している国は本当に見習って欲しいものだ。
(猫間滋)