ピーク時の1965年には2万2000軒もあったのに、16年には約3900軒にまで減少してしまった銭湯。しかし、ここ最近になって、斎藤工さんをはじめ「銭湯好き」を公言する芸能人が増え、テレビや雑誌などで特集が組まれるなど、ひそかに再ブームを迎えているようです。
そこで紹介したいのが「銭湯検定」。銭湯の歴史、建築様式、その他もろもろの雑学が学べる検定です。
それではさっそく例題を見ていきましょう。
〈問1〉銭湯の入浴料金は各都道府県によって異なりますが、大人料金が最も高額な地域は、①東京、②神奈川、③大阪、④福岡のうちどこ?
〈問2〉江戸の銭湯は1591年安土桃山時代に初めて誕生しましたが、その時の風呂は、①五右衛門風呂、②岩風呂、③木桶風呂、④蒸し風呂のうちどれ?
実際の問題は、選択形式、○×式、記述式などで出題されます。例題の答えは、
〈問1〉が②、〈問2〉が④となっています。
現在は4級から2級まであり、4級は自宅のパソコンで受験できますが、3級以上は東京の会場で試験を受ける形式です。
私は3級に合格し、今年2級に挑戦しましたが、難易度は高めと言っていいかもしれません。公式テキストがあるので、それさえ完璧に暗記すれば合格点に達することができると思いますが、冒頭の例題のような各地域の銭湯の入浴料や銭湯のゆるキャラの名前といった、公式テキスト範囲外の事項も含めて幅広い知識が求められます。
銭湯に詳しくなるメリットについて考えてみました。
疲労回復やリラックス効果など、銭湯の健康効果についてきちんと学べるのは大きな魅力の一つ。
私の場合、東京に出てきてからは行く機会が減りましたが、富山の実家にいた頃はよく家族で銭湯に出かけました。子供にとってはレジャー感覚でしたからね。「裸のつきあい」とはよく言ったもので、人脈作りという意味でも銭湯は最適の場かもしれません。
私が前職で知り合った人は、地方に転勤や出張になった時は、銭湯など地元の人が集う場所に赴いて人脈を広げる、と言っていました。もし全国各地の銭湯について詳しければ、話のツカミはバッチリです。
思い切って銭湯を開業するのもアリかもしれません。今から参入するのは無謀と思われるかもしれませんが、実は銭湯業界はアイデアしだいでまだまだ大きな可能性を秘めています。
例えば、コワーキングスペースとクラフトビールが飲めるバー、そして銭湯を融合させた「バスハウス」(渋谷区)。地域密着型の新聞を自作するなどの取り組みで、廃業寸前から売り上げを3倍に増やした「サウナの梅湯」(京都市)など成功例はいくらでもあります。
今後も銭湯という日本独特の文化は続いていくでしょうし、取っておいて損はない資格です。
(すずき・ひであき)