米ウォルト・ディズニーは8月10日、「ディズニー+(プラス)」を含む動画配信サービスの加入者数が2億2110万人になったと発表した。これにより、ライバルである動画配信大手「Netflix」の加入者数を初めて上回った。
「ディズニー+」はさらに、今年12月にはNetflixよりひと足早く広告付きの格安プランを導入する予定で、24年度までに加入者数を2億6000万人にするという目標を掲げている。
だが、この状況はそれほど長くは続かない、との声が上がっている。どういうことか。
「ディズニーの動画配信サービスがこのまま加入者を伸ばしていけるかといえば、かなり難しいと考えられます。というのも、加入者が急増した原因に無料キャンペーンやサブスクリプションのバンドルセールを実施したことがあるからです。これが切れたタイミングで退会する人が出てくると思われ、加えて広告付きプランの導入と同時に通常プランを10,99ドル(約1460円)と、38%の値上げを実施します。こうしたことから会員数が順調に伸び続けるとは考えにくい状況なんです」(経済ジャーナリスト)
また、ディズニーにとっては見過ごせない「あるデータ」も発表されたという。
「8月4日に国際的な調査会社『モーニング・コンサルト』が発表した世論調査によると、スーパーヒーロー映画を楽しんでいる成人が昨年の41%から36%に減少し、さらにマーベルのファンを自称する人も87%から82%に減少しているのです。アニメの専門家からは『スーパーヒーロー疲れ』が起きているという指摘もあり、これがさらに進行していけば、マーベルがキラーコンテンツの1つとなっている『ディズニー+』は大きな影響を受けることは間違いないと思われます」(前出・経済ジャーナリスト)
Netflixは3カ月で会員数が97万人も減少したことが話題となったが、ディズニーの動画配信サービスにもそれ以上の会員離れが起こるかもしれない。
(小林洋三)