公開から1カ月半以上経った現在もロングラン公開中の映画「シン・ウルトラマン」。同作の企画・脚本を担当した庵野秀明氏、さらに初代ウルトラマンのスーツアクター役で知られる俳優の古谷敏が「モーションアクションアクター」の1人として出演していることが話題になった。
聞き慣れない肩書きだがCGや3Dアニメにおいて大きな役割を担い、本作の戦闘シーンは彼らの動きをもとにCGを制作。いわば“シン・スーツアクター”と呼ぶべき存在だ。
実は、現在俳優として活躍する者の中にも下積み時代、スーツアクターをしていた者がいる。特に有名なのは唐沢寿明。大河ドラマ主演歴もある90年代から第一線で活躍するトップ俳優だが、仮面ライダーシリーズの敵方の戦闘員役をしていたことを自身がインタビューなどでたびたび語っている。
「14年に公開された唐沢の主演映画『イン・ザ・ヒーロー』はベテランのスーツアクターが主人公。自身の過去と重なる部分も多く、本人にとっても思い入れの強い作品だったようです」(エンタメ誌ライター)
また、個性派俳優としての人気の安田顕は20代のころ、北海道テレビ放送(HTB)のマスコットキャラ「onちゃん」の着ぐるみ姿で番組に出演している。
「同じTEAM NACSの大泉洋と一緒に同局の看板バラエティ『水曜どうでしょう』にonちゃんとして準レギュラー出演していました。動きだけで笑いを連発し、実は安田にとっても出世作と言える番組です」(同)
さらに初代仮面ライダーとして知られる藤岡弘、は、仮面ライダー1号のスーツアクターも務めている。特撮ヒーローモノで藤岡のように主演俳優がスーツアクターを兼任するケースは珍しい。他にもユニークなところでは福岡県中間市の福田健次市長は元俳優だが、スーツアクターとして「ウルトラマン80」を演じている。
「ただ、スーツアクターの過去を公言する有名人はほんの一部。例えば、子供向けのヒーローショーは日給も高く、昔から無名の俳優たちの間では人気のバイトです」(同)
あくまで世間が知らないだけで大物芸能人の中にもスーツアクター経験者は意外と多いのかもしれない。