今月7日に発売の「新潮」7月号より連載を始めた自伝「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」で、ステージ4のがんであることを告白した坂本龍一。日本を代表する音楽家として70歳を迎えても第一線で活躍していただけに衝撃を受けた人も多いはずだ。
一言でステージ4といっても、がん治療はこの十数年で目覚ましい進歩を遂げている。5年後や10年後の生存率は年々上昇、寛解したケースは当たり前のようにあり、有名人の中にも無事生還を果たした人がいる。
例えば、元ボクシング世界ミドル級王者で、現在はタレントの竹原慎二もそのひとり。14年に膀胱がんと診断され、リンパ節にも転移。当時、医師からは「余命1年」との宣告を受けたという。
また、歌番組「ザ・ベストテン」の司会などでも知られる俳優の小西博之は、04年に末期の腎臓がんであることを告げられる。しかも、まさかの“余命ゼロ宣告”でいつ死んでもおかしくない状態と診断されたほどだ。
報道番組のキャスターとしても活躍したジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、ステージ4の大腸がんから左肺、右肺、肝臓に転移、4度の大手術を乗り越えて、今もコメンテーターとして活躍中。
「くいしん坊!万才」でおなじみの俳優・村野武範は、2015年にステージ4の中咽頭がんが発覚。陽子線などの先端治療で見事回復した。
ゴムぱっちんのネタで知られるお笑いコンビ・元ゆーとぴあのホープこと城後光義も、大腸がん、肺がん、胃がん、小腸がんと4度のがんに襲われたが、これを克服。以上の人たちは、いずれもステージ4のがんを乗り越えたがんサバイバーだ。
「がんは発症した部位によって治療の難しさがあり、生存率に違いがあります。国立がん研究センターの集計によれば、膵臓、肝臓、肺・気管のステージ4の5年実測生存率は5%未満であるのに対し、乳がんは30%台、前立腺がんは50%となっています。治療法は年々進化しているので、これらの数字も改善されていくと思われます」(医療ジャーナリスト)
“世界のサカモト”にもがんを克服してもらい、素晴らしい音楽をまた届けてほしいものだ。