「ベビーカーの前をそのまま…」松本人志の人助けエピソードが怖がられたワケ

 ダウンタウンの松本人志(58)が5月13日放送の「人志松本の酒のツマミになる話」(フジテレビ系)で明かした“人助け”エピソードがSNS上で《逆に怖い》と物議を醸している。

 この日の放送で「自分をカッコイイと思った瞬間」という話がトークテーマになると松本は「新幹線で降りる時に、ママさんがベビーカーをこうしてて(扉が開くのを待っていて)、パって扉開いた時に絶対(列車とホームの間に)隙間ができるから、そういう時に俺、スーって行って、ベビーカーの前をそのままパッて、お母さんの方も見ずにフワってやって、振り向かずに俺行った時。俺めちゃめちゃカッコイイな〜」と、お礼を言われる間もなく、ベビーカーでの乗り降りの補助をして去った経験があると語っていた。これを松本は「アメリカ映画で、後ろでバーン爆発してるのに振り向かない」と映画のワンシーンに例えて自画自賛し、出演者を爆笑させた。

 人知れず困っている女性を助けているという素晴らしいエピソードであるが、これに対しSNSの上に投稿された、ある子持ちユーザーの率直な感想が共感を呼びバズっている。その投稿には《カッコイイ話みたいになってたけど、(ベビーカーを)押してる側からしたら無言でガタイのいい男の人にベビーカー持ち上げられたら恐怖だよね…思わず『怖っ!』って》《今どきベビーカーとか抱っこ紐とかに悪さするヤバい人たくさんいるから一言『手伝いますよ』って顔見せてくれるだけで安心するよね》などと書き込まれていた。

 この投稿には《すごくいい話だけど、断り入れずにベビーカー持つのはアウト》《『お手伝いしましょうか?』の一言がなければ警戒してしまう》《無言でグイッと持たれるのは怖いから、まずは確認とってほしいですよね》《ベビーカーに意地悪する人もいるから、善意でも無言は怖い》と賛同する声が多くあがっている。

 2019年に話題になった、母親の背中にある抱っこ紐のバックルを外し、わざと事故に遭わせようとする「抱っこひも外し」と言われる事件や、ベビーカーへの蹴り行為など、赤ちゃんを狙った非道な行為が巷で多発して以降、子供を持つ女性の間では、ベビーカーや抱っこ紐の安全装置にいたずらをされないよう、二重にゴムをかけるなど対策が呼びかけられている。警戒を余儀なくされる世の母親達にとって、この松本のエピソードが《怖い》と感じてしまうのは当然だろう。

 松本の不器用な優しさが感じられるスマートな人助けエピソードだったが、《怖い》と思われてしまった背景を考えると残念だ。
 
(浜野ふみ)

エンタメ