現在はタレントとして活躍する長嶋一茂が、父で巨人の長嶋茂雄監督(当時)から戦力外通告を受けて、引退を決断したのは1996年オフのこと。球界を去って26年が経った今も、情報番組では野球に関するコメントを求められるが、メジャーリーグに関する情報はアップデートされていないのかもしれない。
4月22日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」にコメンテーターとして出演した一茂。この日は、4月10日に28年ぶりとなる完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希投手を特集。「日本球界の球速ランキング(日本人投手)」をボードで紹介し、1位は日ハム時代の2016年に165kmをマークした大谷翔平選手。佐々木投手は164キロで2位だった。
そこで一茂は「165キロ出した時って大谷君が22(歳)の時なんですよ」と語り、佐々木投手がまだ20歳である点に着目。「大谷君、20歳の時は162キロまでだったんですよ。つまり2年間で球威を3キロアップさせたわけ。大谷選手に関して言うと」として、「つまり22歳に佐々木君がなった時に、167キロっていう可能性は相当あるわけですよ」と2年後には日本人投手の最高速記録更新へ期待をふくらませた。
そこで番組コメンテーターの玉川徹氏が「世界の最高速ってどれくらいなの?」と疑問を口にすると、司会の羽鳥慎一もやや困った顔つきでスタッフに視線を向ける。
一茂はすかさず「ライアンか…」と回答。番組スタッフから伝えられたのか、羽鳥慎一が「169.ナンボ…」と口にすると、一茂は「それ誰?誰が出したの?ライアン?」とまたしてもメジャー史に残る大投手・ノーラン・ライアンの名を出したが、スタッフから「チャップマン」の名を聞くと、「ああチャップマンか、ヤンキースのね…」と納得した様子。チャップマンはクローザーだったことから、先発で記録を残した大谷選手と佐々木投手のすごさが改めてクローズアップされ、元ヤクルトスワローズで野球解説者の五十嵐亮太氏は「100球を超えても160キロを投げるスタミナはすごい。まだ100%の力を出していない」と佐々木投手を称賛したのだった。
「長嶋さんの口からノーラン・ライアンの名が出た時は驚きました。27年間で324勝を挙げた大投手ですが、引退は長嶋さんよりも早い1993年。162.4キロをマークしてギネス世界記録に登録されたのは1974年のことですからね。チャップマンが105.1マイル(約169.1キロ)で史上最速を更新したのは2010年。当時はシンシナティ・レッズに在籍していました。メジャーについてもう少し情報通かと思っていたのですが…」(スポーツ誌ライター)
ともあれ、佐々木投手にはチャップマンを超える球速をたたき出してほしい。