ウクライナ問題は関係ない?「Netflix」会員数減少事情と迷走の予感

 米動画配信サービス大手の「Netflix」が、22年第1四半期(1~3月)の決算発表会で、会員数が20万人減少したことを明らかにした。この対策として同社最高経営責任者(CEO)のリード・ヘイスティングス氏は“広告付き低価格プラン”の導入を検討していることも明らかにしたが、ネット上では「微妙」とする声も少なくない。

「Netflixはかねてから会員数の伸びが鈍化していたことから『巣ごもり需要の終焉』が指摘されていました。しかし会員数が減少に転じたのは10年以上ぶりだったこともあって、20日の米国株式市場では同社の株価が37%安と大幅に下落するなど、市場関係者にも大きなショックが広がっています。なお、会員減少の理由としてはウクライナに侵攻したロシアでのサービスを停止したことで約70万人の会員を失ったことを主因に挙げていましたが、Netflixはそもそも今期の会員数を250万人以上増加すると予想していたので、実際にはロシア以外の要因の方が大きかったと言えるでしょう」(経済ジャーナリスト)

 なお、第2四半期はさらに会員離れが進むと見られ、同社も200万人減少する可能性があることを明らかにしている。そんな会員減少対策のひとつとして、ヘイスティングスCEOは「私は広告の複雑さが好きではないが、消費者から望む声が多いのであれば選択肢を増やす必要はある」と、広告付き低価格プランの導入を前向きに検討する姿勢も見せている。

「これにネット上では、《お金払った上で広告見せられるってどうなの? じゃあ、Amazonプライムビデオでいいじゃんってなりそう》《「TVer」みたいにスキップできずに2本も3本も広告見せられるなら絶対お金は払いたくない》など広告を付けることに微妙な意見も少なくありませんでした。まだ導入の検討を始めた段階でどんな広告の入り方になるかなどはまったく分かっていませんが、日本人は動画広告に対してシビアなところがありますからね。アメリカではケーブルテレビ放送の『HBO』など広告付き低価格プランが成功しているところもありますし、比較的受け入れられやすいかもしれませんが、既存の会員が低価格プランに流れてしまうリスクはあるでしょうね」(ネットライター)

 果たして、広告付き低価格プランが会員数減少の歯止めとなるか。

(小林洋三)

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