蒼井優、青木裕子、藤本美貴、中村仁美など、有名女優や女性アナウンサーが芸人と結婚するケースは珍しくない。こうした状況について、在阪で活動するフリーの芸能記者A氏は「結婚生活に耐えられるんかなと思うわ。普通の感覚を持っている女性では、付き合うのが難しいからね」と、これまでに見聞きした芸人妻の凄さを教えてくれた。
その筆頭として挙げてくれたのが、吉本興業の大看板、漫才師の中田ボタン(74)だ。プロの女性から「お金をあげるから、遊びに来てほしい」と懇願される技巧派としても名を轟かせていたボタンが、ある番組で起こした一件はいまだに語り草になっているとA氏は言う。
「30年ほど前に、やしきたかじんさんの番組に出演したとき、奥さんも偶然収録に来られていたんです。もちろん、女性関係の話はせえへんやろと思っていたら、何でもしゃべってしまう。最終的には、新大阪で有名な艶系バーでの出来事も身振り手振りを交えて披露してね。スタッフは目が点になっていたけど、奥さんは笑っていましたわ」
その全貌は放送できないほど過激な内容だったにもかかわらず、平気な顔をしていた奥さんの鋼の精神力に感服してしまったという。
同じ関西の重鎮では、月亭八方(74)のエピソードも凄まじい。八方が不貞相手の女性と寿司店に入ったところ、奥さんと鉢合わせ。誰もが修羅場に発展すると思ったところ、奥さんが予想外の切り返しを見せたと話す。
「相手女性に向かって、『はじめまして。八方の妹です。今から別の店で飲むんやけど、あんたらもあとでおいで。じゃあ先に出るわ』って、店を後にしたらしいんですわ。そんなことがあったら、家で小言の1つや2つ言うと思うんやけど、何事も無かったかのように振る舞ってたらしいです。相当、精神が強い人です」
そうした強さとは異なる、どこまでも健気で内助の功に徹する妻もいる。象徴的なのが、小籔千豊(48)の奥さんだ。
「今どき、三歩下がって夫に寄り添う夫婦は珍しいけど、あの夫婦はまさにそう。食事をするときは、後ろを付いて歩き、荷物を持ったり、会計をしたりするのはすべて奥さん。月給2万円のときに結婚して、下積み時代を支えた奥さんが今も旦那を立てようとしてるのが、芸人妻の鑑ですな」
浮世離れしたエピソードに事欠かない芸人妻の世界。冒頭で挙げた女性たちもまた、芸人たちを強い心で支えていくのか。行く末を見守っていきたい。
(茶谷垣内一休)