ゆうちょ銀行“硬貨大量使用有料化”のしわ寄せ!?「Pocket Change」が日本円取扱いを終了【2022前半BEST】

「Pocket Change」は海外旅行などで余った外貨を電子マネーなどに交換できる便利な両替マシン。ところが日本の金融機関が小銭両替を有料化したことで、Pocket Changeに日本の硬貨を大量投入する人が続出。結果、日本円の取り扱いを停止するに至った残念な顛末を以下に――。(2月14日配信)
 
 現金を電子マネーなどに変換できる端末「Pocket Change」は2月9日、日本円硬貨の取り扱いを終了すると発表した。ゆうちょ銀行が硬貨取り扱いを有料化したことで硬貨が大量投入され障害が発生していたことが影響しており、ネット上では“硬貨不要論”も噴出している。

「Pocket Changeは空港や駅などに設置され、日本のみならず海外のお金を電子マネーやギフトコードなどと交換でき、旅行で余った外貨などを持つ旅行者などをターゲットにしたサービスとなっています。しかし、1月中旬頃から日本の硬貨が大量に投入されたことによって各所で障害が発生。1月27日からは全端末のメンテナンスを行っていました」(情報誌ライター)

 同端末に日本の硬貨が大量投入された原因は、ゆうちょ銀行が1月17日から「硬貨取扱料金」を導入したのが原因とみられている。大手銀行の窓口では数年前から硬貨の取り扱いには手数料を導入していたため、ゆうちょ銀行に大量の小銭が持ち込まれることとなり、職員の負担が大きくなったため同じく手数料を取り入れることとなった。

 現在、ゆうちょ銀行では窓口で入金する際などに硬貨50枚までは無料だが、51~100枚では550円、101~500枚では825円、501~1000枚では1100円の手数料がかかる。つまり、10円硬貨51枚510円分を窓口で預ける場合など、入金額よりも手数料の方が多くかかってしまう場合もある。そのため、小銭の賽銭が多い神社や、飲食店、駄菓子屋などの小売店では硬貨を入金しづらい状況になっているのだ。

「これにネット上では、《もう1円、5円、10円あたりの硬貨は廃止でもいいのでは。預けるのに余計お金がかかる硬貨なんていらない》《国もキャッシュレスを推し進めたいなら硬貨の流通をなくせばいいのに。重くてかさばるわりに価値のない硬貨はマジ不要》《500円玉貯金しても両替できないし、硬貨のコスパが悪すぎる》など硬貨不要論が多く見られます。実際、カナダやオランダ、ベルギーなど最小単位の硬貨を廃止している国も少なくありませんし、カナダでは1セントコインを廃止したことで年間で約1100万カナダドル(約10億円)の製造コスト削減効果があったとも言われています。日本も細かい硬貨の廃止論は広がるかもしれませんね」(経済ジャーナリスト)

 過度のキャッシュレスは混乱を招くといわれているが、果たして?

(小林洋三)

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