ポテトチップスの「賞味期限延長」は食品ロス解消の起爆剤になるか?

 5月30日に菓子メーカー大手の「カルビー」が、10月1日以降、袋入りのポテトチップスの賞味期限表示を「年月日」から「年月」に変更し、賞味期限自体も4カ月から6カ月に変更すると発表した。

「この動きは、注目が集まる食品ロス問題を受けてのものと見られます。一部で報じられたところによれば、カルビーは製造技術の改良によって、より劣化しにくい状態を作り出すことに成功したとのこと。ポテトチップスを購入してから6カ月以上放置する人はなかなかいないでしょうが、これでスーパーやコンビニで廃棄される割合が減ることは間違いありませんね」(全国紙記者)

 しかし、賞味期限を延長したからといって、そう簡単に食品ロスは減らないという見方もある。

「食品業界には“3分の1ルール”というものがあります。製造された商品は賞味期限が3分の1に達するまでに販売店に納めなければならず、その期限を過ぎると製造元へ返品となり、結局は廃棄することになってしまう。また、賞味期限の3分の2を過ぎると棚から撤去され、こちらも返品や廃棄となります。つまり、ポテトチップスの賞味期限が6カ月に延びたとしても、製造から2カ月が過ぎていれば店頭に並ぶことすらなく、陳列された商品でも製造から4カ月が経てば、賞味期限が残っていても廃棄処分になってしまうわけです」(業界関係者)

 このルールは1990年代に大手スーパーが始めたことで全国の小売店にも広まり、2000年代に入ってから見直しが盛んに叫ばれるようになったが、依然として遵守している販売店が少なくないという。

「すでに大手のスーパーやコンビニの間では、“2分の1ルール”に変更して積極的に取り組んでいますが、中小規模の商店などにはまだまだ広まっていない。まずこの暗黙のルールの見直しを徹底しなければ、賞味期限を延長したところで食品ロスの削減にはそれほど大きな影響を与えないと思われます」(フードジャーナリスト)

 製造と小売、そして我々消費者の協力が必要ということだ。

(小林洋三)

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