RIZIN大晦日大会で呼び起こされるアントニオ猪木のマッチメイクのスゴさ

 開催が目前に迫った年末の格闘技イベント『RIZIN』(31日・さいたまスーパーアリーナ)。対戦カードが次々と発表され盛り上がりを見せる中、昨年から舌戦を繰り広げていた人気YouTuberのシバターと人気格闘家の皇治の一戦は実現に至らず、別の相手に。また、那須川天心のRIZENラストマッチの相手も、20日時点では発表されていない。

 オミクロン株の感染拡大で外国人選手の来日が難しくなり、急きょ代役を立てるなどの苦労もあったようだが、改めてルールや団体の垣根を越えた格闘技のマッチメイクの難しさが浮き彫りになっている。

 そうした中、格闘技ファンから懐かしがられているのが、現在闘病中のアントニオ猪木。レスラーとして絶頂期だった70年代、プロレス最強を証明するために「格闘技世界一シリーズ」を数々展開してきたからだ。
 
 今日の異種格闘技戦の先駆けとなり、その先見の明もさることながら、当時ボクシング・ヘビー級の現役世界王者だったモハメド・アリを対戦相手に引っ張り出している。
 
「実現のため、不利になるのを覚悟のうえで相手に有利なルールを全部受け入れたのは有名な話。試合内容には賛否ありましたが、結果、世界中で猪木の名が知られ、選手としてだけでなくマッチメイカーとしても世界的に評価されています」(同)
 
 他にも柔道無差別級の五輪金メダリストのウィリエム・ルスカや〝熊殺し〟の異名をとった極真空手のウィリー・ウィリアムスら猛者たちとも対戦。
 
 引退後もマッチメイクの手腕は冴えわたり、01年大晦日の「INOKI BOM-BA-YE」では、当時K-1トップファイターだったジェロム・レ・バンナの対戦相手に大相撲出身プロレスラーの安田忠夫を起用し、大成功に導いている。
 
 不可能と思われたカードを次々と実現させた〝燃える闘魂〟はやっぱり偉大なのだ。

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