サンドウィッチマンはいまだに好感度芸人のトップを堅守している。漫才にコント、バラエティ番組に地方営業と、何でもこなせる笑いのオールラウンダーだ。
事務所の後輩芸人たちも多岐にわたって活躍しはじめており、東京ホテイソンは「M-1グランプリ2020」のファイナリスト。わらふぢなるおは「キングオブコント」で17年から19年まで決勝戦に進出したコントのスペシャリスト。“野球芸人”ティモンディの高岸宏行は、来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に俳優として出演することが決まっている。そんななか、お笑いコンビ「まかろにステーション」のギャビンは、事務所でも唯一無二の肩書きを持っている。現役モデルだ。
アメリカ・フロリダ州マイアミ出身の26歳。明治大学経営学部経営学科卒で、英語はTOEICで満点、日本語も堪能だ。両親そろって医者で、兄と姉は弁護士。もう一人の姉はアメリカ政府のエージェントという超ハイスペックファミリーだ。
「身長は185㎝で、芸人になる前はエルメスやグッチといったハイブランドのモデルをやっていました。かねてからのお笑い好きを抑えきれず、3年ほどはモデルと芸人を両立していました」(エンタメ誌ライター)
単身で海外ロケに出撃できる強みが買われて、昨年は「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)のオーディションに合格。サンドに続いて好感度芸人の仲間入りができるチャンスを手に入れた。ところが、コロナ禍によって同番組の特色である海外ロケがストップ。企画は、1年ほど足止めを食らった。越年して今年4月、ついに単独企画「ギャビンのボランティア旅」が始動した。
「アメリカ人のギャビンが、日本でボランティアの精神を学ぶ企画です。初回は京都を訪れて、北野天満宮のライトアップや京都芸術大学の巨大ねぶた制作を手伝いました。11月オンエアの第2弾では、熊本県と鹿児島県で牛の出産やウミガメの調査、れんこんの収穫などを手伝いました」(前出・エンタメ誌ライター)
ところが、不慣れな日本ロケが思うようにはかどらず、荒れて英語を乱発するなど、問題シーンも多々あり、イッテQ!ファミリーの内村光良をはじめ、出川哲朗や宮川大輔、森三中やイモトアヤコといった諸先輩となじめるには、まだ時間がかかりそうだ。
いまだ先行き不安なギャビンだが、芸能界で外国人芸人モデル枠は“空き家”。ヒットすれば、サンドと肩を並べる存在になれる可能性大だ。
(北村ともこ)