12月10日、デジタル庁は新型コロナウイルスの「ワクチン接種記録システム(VRS)」に登録された接種日やワクチン名などの個人記録、約1億件のうち約16万件のデータに誤りがあるとした。さらに内容が間違っているか、間違っている恐れがあるデータが約500万件あると明らかにしたのだが、これにはネット上に不信感をあらわにする声が噴出している。
「デジ庁は当初、VRSの誤データは全体の0.07%と推測していましたが、結局は大幅に増えて5%程度誤っている可能性が浮上したわけです。12月20日には岸田内閣肝いりのスマホで利用できる“デジタル”ワクチン接種証明書がスタートするため、全国の自治体が約500万件あるとされるあやふやなデータの確認、修正を迫られており、現場はかなりパニックになっているとの情報もあります」(フリージャーナリスト)
この報道にネット上では、《政府の「デジタル」には不信感しかない。ところでCOCOAってどうなった?》《何で日本政府のデジタル周りってこんなにダメダメなんだろう。記録すら正しく残せないってどういうこと?》《日本のデジタル化が遅れてるって盛んに言われてきたけど、ここまでレベルが低いとは思ってもみませんでした》《これからデジ庁がやることは何ひとつ信用できない》など批判と落胆の声が相次いでいる。
「そもそもVRSはわずか2カ月の突貫工事でシステムが構築され、導入された当初からバーコードの読み取りがうまくいかないなど不具合が頻発していました。そのため、『誤りを探し出して修正しなければならないのは手間になる可能性もある』と危惧していた自治体の担当者もいましたが、まさにその通りになってしまいましたね。なお、デジタルのワクチン接種証明書を入手するためにはマイナンバーカードが必須となりますが、デジ庁はマイナンバーカードの活用にも取り組み、銀行口座と紐付けすることでマイナポイントを付与する還元事業の第2弾を来年1月1日に始める方針です。しかし、今回の誤データ問題を見てしまうと、口座との紐付けはさすがに怖いと感じてしまった人も多いのではないでしょうか」(経済ライター)
9月に発足したばかりのデジタル庁だが、すでに多くの人の信用を失ってしまったようだ。
(小林洋三)