ワクチンの普及で進む規制緩和、GWの海外旅行にオススメのリゾート国とは?

 およそ2カ月後に迫った2021年のゴールデンウィーク。海外旅行は昨年に続き、今年も難しそうだが、決して不可能なわけではない。

「海外に行く場合、現地到着もしくは出国する48〜96時間以内(※渡航先により異なる)に行った検査の陰性証明書を準備する必要があります。ただし、それさえあれば入国後の自主隔離の必要もなく、観光目的でも入国できる国は、現時点でも世界に50カ国ほどあります」

 そう話すのは、コロナ禍の出入国事情に詳しい旅行ジャーナリスト。確かに、日本人の定番リゾート、ハワイも昨年11月から入国規制を緩和。日本出発72時間以内に指定の国内医療機関で新型コロナの核酸増幅検査(NAT)を受け、陰性証明書を取得すれば入国後14日間の隔離が免除される。だが、今でも観光可能な国がこんなに多いとは驚きだ。

「それでも入国時にPCR検査を行う二重チェックを実施する国は多く、加えて行動記録を把握するために指定されたアプリのダウンロードと登録が必要な国も増えています。このあたりの水際対策については空港到着後に指示があり、それほど難しいことではありません。ですが、当然日本語で説明してくれるわけではないため、最低限理解できる程度の英語力は必要になります」(前出・ジャーナリスト)

 では、観光可能な約50カ国のうち、おすすめを挙げるとしたらどこなのか?

「ハワイ以外だと、同じビーチリゾートとして有名なモルディブ。出発24時間前までに陰性証明書をオンライン上で提出する必要はありますが、観光客は自主隔離が免除されています。もともと1カ所のリゾート内で過ごす滞在型が一般的なため、このような比較的甘い措置となっています」

 ほかにもドバイが有名なUAEをはじめ、トルコやエジプト、モロッコなどアラブ圏には旅行客に寛容な国が多いという。

「あとはメキシコやカリブ海のリゾートがある中米も多くの国が観光客を受け入れ、サバンナツアーで有名なアフリカのケニアやタンザニアも旅行可能です。その一方、以前は入国できる国が多かったヨーロッパは、EUが日本人の入域を制限。今も観光客が渡航できるのは、マルタ共和国など一部のみです」

 それでも、こうした規制は頻繁に見直しが行われている。各国でワクチンの接種が始まり、その普及にともなって今後は規制が徐々に緩和されていく見通しだ。

「これからはワクチン接種の証明書の提示が必要になる可能性が高く、すでに一部の国ではそのような条件を新たに設けています」

 ただし、日本人が帰国する場合は、現地でも出国72時間以内に検査を行い、その陰性証明書の提示が必要。それと合わせて帰国後14日間の自主隔離があることも忘れてはならない。

 少なくともこれらの規制が緩和されない限り、海外旅行をするのはまだ厳しそうだ。

(高島昌俊)

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