オミクロン株の世界的拡大で北京冬季五輪が最悪中止も

 開幕まで2ヶ月半に迫った北京冬季五輪。だが、実際に聞こえてくるのは不安の声ばかり。しかも、ここに来て新たな変異種オミクロン株の感染者が世界各国で続々と確認されており、WHO(世界保健機関)も強い警戒を呼びかけている。

 そうした状況にここ最近ネット上では、北京五輪の開催中止の噂が飛び交っている。東京五輪は国内でコロナ第5波が猛威を振るう中で強行されたが、中国政府が同じように開催に踏み切るとは必ずしも言えないという。

「オミクロン株の影響がスポーツ界に波及しています。12月11日からスイスで開催予定だったユニバーシアードが中止に。2月に開幕する北京五輪についても疑問を投げかける報道が出てきました。また、東京五輪における日本政府のスタンスとは異なり、中国政府は現在も開催中止に含みを持たせています」(スポーツジャーナリスト)

 実際、オミクロン株が確認される前まで世界各国は段階的に入国規制を緩和。観光客の受け入れを再開する中、中国は一貫して強い入国規制を続け、商用目的などビザを持つ者でも入国後21日間と長期間の隔離を義務づけていた。

 ちなみに、北京五輪の会場での観戦は中国在住者のみで、外国人観光客の入国を認めないことはすでに発表済み。だが、開催中止という決断を本当に取れるのだろうか?

「中国は面子を重視する国です。特にコロナは武漢から全世界に広まり、悪いイメージが付いてしまった。それだけに五輪がきっかけで中国国内での感染爆発は絶対に避けたいところ。状況によってはやむを得ない措置を取らざるをえない」(同)

 また、ウイグル問題等を理由に米国などの欧米諸国では開催に合わせて中国を訪問する五輪外交を拒否する動きも出ており、それも開催中止の大きな要因になりうるとも。

「オミクロン株の感染拡大を理由にすれば、各国政府も納得するからです。中止に伴う賠償金の問題はありますが面子は守られますし、外交面で考えれば中国側にとっても決して悪手ではありません」(同)

 政治的な話は措いておいても、五輪開催で感染爆発の懸念があるのは事実。中国政府が最終的にどのような判断を下すのか注目だ。

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