左打者対策が必要?巨人ドラフト1位・翁田大勢は”クセが強い”怪投球

 先発とリリーフ、どちらで使うべきか、ますます分からなくなった。

 巨人のドラフト1位・翁田大勢投手(関西国際大)が10月17日、阪神大学野球・秋季リーグ戦の神戸国際大戦に登板し、3イニングを「被安打1失点1奪三振4」でまとめた。視察した巨人・岸敬祐スカウトは「良い投球が見られました」と各メディアにコメントしていたが、本当にそうだろうか。

 思い出されるのが、ドラフト会議後の10月13日に行われた指名挨拶でのやり取りだ。

「翁田クン側は『リリーフでやりたい』と伝えました。それに対し、巨人側から出席した水野雄仁スカウト部長らは『ローテーションの3、4番手として考えている』と、先発で起用していくと返しています」(スポーツ紙記者)

 学生最後の秋季リーグ戦でも、翁田はリリーバーでも登板してきた。

 指名した巨人が「先発」と決めた以上、翁田は従うしかない。それでも「リリーフも再検討」の声が出ている理由は、翁田が“クセの強いピッチャー”だからだ。

「右サイドで150キロ強が出る素材は貴重です。ボールの回転数も多く、力でねじ伏せることもできますが、ボールが『ナチュラルシュート』する場面も少なくありません」(学生野球担当記者)

 そのシュート回転する直球がポイントだ。翁田は秋季リーグ戦7試合39回3分の1に登板し、与えた四球数は「13」。うち12個が左打者に与えたもの。シュート回転して外角に流れていく投球を、左打者に見極められてしまうことも多いようだ。

「プロで先発登板するとき、対戦チームに左打者を並べられたときが心配です」(同前)

 しかし、学生最後の登板となった17日、翁田は打者10人と対戦したが、うち6人は左打者だった。失点につながる左中間への二塁打を打たれたのも左打者だったが、4奪三振のうち3つは左打者から奪っている。もはや「左打者が苦手」とは言い切れないが……。

「右サイドスローの投手に対し、左打者を並べる作戦は野球の定石です。翁田が左打者に対して投げにくそうにしているという情報も以前から出ていました」(関係者)

 巨人・岸スカウトの「良い投球が」の発言は、対左打者の苦手を克服したという意味だろうか。

 ドラフト直前の10月4日、“先発・翁田”を視察した埼玉西武の渡辺久信GMは「持っているポテンシャルは高い」と称賛していたが、後日「評価が分かれる」とも言っていた。左打者に見極められて四球を出したかと思えば、無難に仕留める日も…。翁田の起用法を間違えたら、巨人の来季の成績にも影響してきそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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