FB&インスタグラム“大規模障害”に囁かれる「人身売買問題」との関連性

 近い将来iPhoneでInstagramが使えなくなるかもしれない!?

 米「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、現地時間9月14日から、Facebook社の内部文書に基づく暴露記事を立て続けに投稿し、その中でApple社が同社のアプリをApp Storeから削除すると警告したことを明らかにしたのだ。しかもその理由が、Instagramが人身売買問題に関連しているからだというから驚きだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによればFacebook社は、FacebookやInstagramを使ってメキシコの犯罪組織が殺し屋を勧誘・訓練していることや、中東の人身売買組織が女性を勧誘し、虐待的な雇用環境で働かせていることを知りつつも、組織がアプリを使用することを禁じなかったと説明。19年には英「BBC」がInstagramがサウジアラビアやクウェートにおける人身売買の温床になっているというドキュメンタリーを制作しており、これにAppleが懸念を表明していたことも明かしている。

 さらに、BBCはドキュメンタリーの公開前にFacebook社に対し「Instagramで人身売買における様々な違反行為が見つかった」と報告したものの、Facebook社の動きは非常に限定的な対策しかしなかったといい、BBCがApple社にInstagramにおける人身売買の実態を報告。するとApple社からの「この問題が解決しないのであれば、FacebookとInstagramのアプリをApp Storeから削除する」との通告を受け、ようやくFacebook社が人身売買に使われるハッシュタグの禁止やアカウントの削除など、重い腰をあげたというのだ。

「これらの報道を受けて、現在アメリカではFacebook社に対して非常に厳しい声が殺到しています。日本時間5日の午前1時頃からFacebookとInstagramでシステム障害が起こり、長時間に渡ってアクセスできない状況が続いていましたが、一連の報道に抗議する者からのサイバー攻撃ではないかと邪推する声もあがるほど。Instagramを巡る人身売買問題等は世界の注目の的となっていますから、Facebook社がより厳しい対策を打ち出さなければ、本当にApp Storeから削除されてしまうかもしれませんよ」(ITジャーナリスト)

 Facebook社の今後の対応に注目だ。

(小林洋三)

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