くだらないけどスゴい技術!おにぎり専用装置「グナッシー」とは

 小規模ながらもロケットの部品を作っていたり、世界的にも技術力が高く評価されている日本の町工場。今月2日、名古屋市内で行われた品評会には愛知や岐阜など5都府県の19の町工場が参加したが、各社が持っている技術を本業とは別の方向に注ぎ込んで作った一品を競うという一風変わった内容。その名も『くだらないグランプリ』というものだ。

 ちなみに今回優勝に輝いたのは、愛知県小牧市の製缶・板金業、千成工業が製作した『グナッシー』。コンビニ用のおにぎりから具材を抜き取るという装置で「一体何のために?」というツッコミの声が聞こえてきそうだが、そこもマニアックな製品を競い合うイベントらしい。確かに、失礼な言い方かもしれないが〝くだらない〟とは言い得て妙だ。

 グナッシーは固定したおにぎりに金属製の筒を刺して、中身の具材を除去してくれる便利器具(?)で、「中身の具材が苦手という人でも安心して食べられる」とのこと。そもそも好きな具材のおにぎりを買えば済む話のような気もするが、「差し入れのおにぎりの具が梅で、食べられなかった社員がいたんです」と同社は発案のきっかけを明かす。

 他にも同グランプリでは、名古屋の河村市長に金メダルかじり行為に着想を得たと思わる金銀銅を溶かした合金で抗菌作用のある「一度に3種をかじれるメダル」や、自動車のタイヤとホイールを使用した「ホイール腹筋ローラー」などユニークな品が多数エントリー。各アイテムはYouTubeの「くだらないグランプリ」の公式チャンネルで紹介されている。

「各企業とも『なぜ、それを?』というモノを真面目、かつ情熱を注いで作っています。しかも、自分たちの会社が持っている技術を惜しみなくつぎ込んでいるからから面白い。今回は2回目のイベントでしたが、今後規模が大きくなってもっと多くの町工場が参加すれば、さらに盛り上がると思います」(工業専門誌記者)

 くだらないと謳いつつも、ひょっとしたら将来ここからアッと驚く大発明が生まれるなんてこともあるかもしれない。

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